サムプランニング有限会社
小松崎純(こまつざき・じゅん)さん

元気の出るCDシリーズ 

 「元気の出るCDシリーズ」4部作が完成したという小松崎さん。最新作のタイトルは『Kaho』、霞ケ浦の別称である。故郷の筑波山と霞ケ浦をモチーフに作曲した
石原慎太郎が書いた『青春とは何だ!』が、夏木陽介主演でドラマ化されたのは、東京オリンピック直後の一九六五年。小学生なのに、テレビにかじり付いたのを今でも鮮明に想い出す。この高校ラグビー部を舞台とする日テレの「青春シリーズ」は約十年間続き、最終作『われら青春』でデビューしたのが中村雅俊。

七〇年代の後継番組「俺たちシリーズ」でも中村は大活躍した。特に『俺たちの旅』では、それまでの高度経済成長期のモーレツの価値観が支配する組織社会に反発しながら、人生を模索する青春群像が鮮烈に描き出され、小椋桂作詞作曲のテーマソングと共に、団塊の世代の残した数少ない美点だった気がする。

当時、中村雅俊の歌うテーマソングを演奏したバンド「トランザム」で、キーボード弾きながら曲をアレンジしたのは、土浦市出身のミュージシャン小松崎純である。

そもそも、小松崎は土浦市内の開業医の息子。八歳の時、明大マンドリンクラブOBだという患者の一人に、兄と共にギターを教わったのが音楽との出合い。姉とピアノを習いに行ったりと、音楽好き少年に育った。

土浦第一中学では、マーチングバンド部に入り、誰もやりたがらないサックスを吹いた。「バンドを作って待っているから」と言い残して土浦一高に行った先輩を追って進学。高校時代は、オールナイトニッポンで糸井五郎が紹介するビートルズに夢中になり、「学園祭で演奏すると学園のアイドル状態」になったという。

しかし、「音楽で芸大に進学しようとしたが、クラシックの先生に長年付いてやっと受験の要件が整うといった感じで、ビートルズなど論外」であった。音楽を諦め成城大学の文学部に進学、気軽な気持ちで軽音楽部に入部した。高校までに鍛え上げた腕前を披露すると、ギター、サックスからキーボードまでこなせる小松崎純に目をつけたOBのミュージシャンが、早速スカウトにやってきた。世はグループサウンズGS全盛期、「ピーターパン」に参加して、テレビ・ラジオに出演したり米軍キャンプを回ったり、悠々自適の学生生活を満喫。

GSブームが去ると、今度は、くだんの「トランザム」にキーボーディストとして参加。カバー曲、『ビューティフルサンデー』が大ヒット。コカコーラのCM曲、『Come on in Coke』なども次々とヒットする。そして、一連の「俺たちシリーズ」のドラマ音楽を担当。タモリ、ゴダイゴとジョイントコンサートツアー開始とミュージシャン人生は展開して行く。

『5番街のマリー』やペドロ&カプリシャスを独立してからの『桃色吐息』などの大ヒット曲で知られる高橋真梨子バンドのキーボーディストで呼ばれたのが一九八一年。「ミュージシャンは、お互いわがままな連中。何度もメンバーの入れ替えがあったんですが、馬が合ったというか、ナゼか縁があった」という小松崎は、団塊世代に絶大な人気を誇る高橋真梨子コンサートを、約三十年間にわたって、毎年七十回余りこなしている。

「一貫して音楽をやってこれたことに感謝している」という小松崎は、五年前に音楽制作集団・サムプラニング社を設立した。プロデュースするのは癒し系BGM「元気の出るCDシリーズ」だという。(後半に続く)
 
元気の出るCDシリーズ 

 コンサートはとにかく練習、 練習です。 今年も、 間もなく高橋真梨子コンサートツアーが始まる。
スタジオミュージシャンが、コマーシャルから映画音楽まで、スタジオで絵図らを見ながら、名人芸を駆使してアナログで仕上げていた。「譜面をみていきなり要求された音を演奏するんですよ。時間で拘束されてやるわけです。ある程度、この曲ならこのベースでとかお呼びが掛かる。このスケジュール調整は大変」と、小松崎純は、自身の人生と日本のミュージックシーンを重ね合わせて振り返る。

グループサウンズまでは、結構いい加減だったが、トランザムからはスタジオミュージシャンとしてやりだしてから本格化した。クラシックは、体系化して音楽大学で教育を受けられるが、ポップス系は全くヒトとの偶然の出会いの中での徒弟制のような感じで、技を身につける。今の若いミュージシャンには想像できない世界。

現在では、アレンジャーは、音源を駆使してコンピュータミュージックで、ピッタシの尺に仕上げる。あまりコンピュータで作る人工的な音楽が主流になっただけに、最近では、コンサートなどのライブ感が、逆に強く求められているという。

間もなく還暦を迎える小松崎(一九四八年生まれ)は、五年前、サムプランニング有限会社を作った。この歳まで音楽だけをやってこられたことに感謝している。これからは、サムプランニング社のオリジナルレーベルで出した「元気の出るCDシリーズ」のオリジナル曲を引っさげ、音楽のボランティアで全国の老人ホームを回って恩返しをしたい。

モーツァルトの曲は三千ヘルツ辺りが主流と言われる。「単音だと浪花節の高音部分のような嫌な音域だが、和音の倍音になってくると、不思議に心地いい音域になる」。倍音とは、鍵盤を叩くと同時に二倍三倍の音域の音が自然に出るという物理現象。モーツァルトの曲が頭に良い影響を与えるとのテーマを追及してきた。

小松崎は、音楽療養士の協会にも所属して、シンポジウムなどに積極的に参加した。自分でも嫌なことがあると、遮二無二ピアノを練習するようにしている。電子ピアノでヘッドホンを付けて、バッハのインベンションなどを弾くと、自然に指が動いていって、頭が空っぽになる。

小松崎の少年時代は、霞ケ浦で泳ぎ、夢中でフナを釣った。アサギリマダラ蝶をとるために、何日も筑波山にテントで泊まり込んだりもした。霞ケ浦や筑波山のイメージを織り込んで、音楽療法の研究成果と融合させて作ったのが「元気の出るCDシリーズ」。

『Harvest』『Livere』『Shining Evergreen』と製作してきた。最近完成した四部作の完結編のタイトルは『Kaho』、霞ケ浦の別称である。故郷の筑波山と霞ケ浦をモチーフに作曲した。小松崎は、「物足りないという人もいますが、聴き流すにはいいですよ」と遠慮がちに薦めた。

二〇〇七年は団塊世代の大量退職時代の幕開けで、日本は未曽有の高齢化社会に突入する。小松崎もまた、青春の旅の二幕で、人生の意味を問い直そうとしている。金で買えないモノは無い‥との世相に、魂の音階は果たして響き渡るのか。
(花山 亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略)

【事業概要】サムプランニング有限会社http://www.samplanning.com 小松崎純携帯用ホームページhttp://www.rr.iij4u.or.jp/~jam/jun-mobile/index.htm 〒108―0072 所在地:東京都港区白金1―15―25 白金コンド509 電話:03・5420・6749、FAX:03・5420・6819 資本金:300万円 設立:2001年11月 代表取締役:小松崎 純 事業:高橋真梨子コンサートにキーボーディストとして約30年間にわたって参加。2001年に音楽制作集団・サムプラニング社を設立。オリジナルの癒し系の曲を作り『元気の出るCD』シリーズを製作。コンサートの合間に各地の老人ホームを訪れて独りで演奏し老人たちを励ましている。また、新人アーティストのプロデュース活動も積極的に展開。


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