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菓子工房 木村屋
「風味と食感」にこだわる
 「いつかは水府をイメージできる和菓子を」と話す木村さん

 創業は一九六一年。店主の木村正明さんの父親が、日用雑貨の販売スペースの方が広い状態で始めた。その父親が亡くなって五年後の一九九九年七月、店舗を改装し新装オープンした。店舗の老朽化と、店舗と工場を一体化するのが目的だった。
 改装前の店は「サッシ戸の、いわゆる商店でした」。それを和菓子販売を中心にした店構えに。現代風でありながら古風な部分も残すように心掛けたという。カラーにも気を使い、「決して敷居の高い店にはしたくなかった」とも。地元の人に育てられてきた店という意識が強い。
 新装を機にキャッチフレーズも、「郷土の和菓子」から「菓子工房」に改めた。「ここで作っていることを少しでも伝えたかった」と話す。その手作りの和菓子は、「風味と食感」にこだわる。一つ食べてから、まとめて買っていく観光客や宅配便で注文を受けるケースもあるほど。
    ◇
 父親が胃を切除するという手術をした高校三年の夏、「(父の)身体を少しでも楽にさせたい」と跡継ぎの決意をした。「親方が呆れるほど」何も知らないまま、水戸の和菓子店に修行に出た。朝七時から夜九時まで立ちづくめ。何も知らないので、洗い物ばかりの毎日。指紋が無くなるほどだったという。辞めていく先輩もいたが、「その厳しさがあったから今がある。必要な厳しさだった」と振り返る。
 父親とは五年間ほど一緒に仕事をしたが、やりかたの違いでぶつかることも多かった。が、結果的には互いの良さを認め合っていた。「おやじさんが作っていたものを引き継ぎながら、時代に合ったものを作っている」。季節に合わせ、年間五十ー六十種類を手がける。
 年末年始用にはオリジナルの創作和菓子を作る。職人としては「いつでもオリジナル作品が頭にあるが需要がないので」と、経営者としての立場も。和菓子販売中心の改装も、和菓子で勝負する気持ちはもちろんだが「日用雑貨は売れなくなる」の見通しがあったから。
 「人と違ったものが出来る、この道を選んだことを良かったと思っています。いつか水府をイメージできるオリジナル和菓子を作りたいですね」。作る時も店に立つ時も「誠心誠意」が信条だ。

【メモ】水府村天下野。木村正明店主。一九六一年創業。火曜日定休。年間五十ー六十種類の和菓子を手がける。年末年始にはオリジナルの創作和菓子も作る。



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