header
ヤマナミ
低コストでサービス提供
隣接した場所でホテル展開
地元の文化サークルなどに無料で一部施設を提供している石下スカイホテル
 価格・サービス競争が激化するホテル業界。県内でも老舗ホテルの閉鎖など勢力図が塗り変わる中、ヤマナミはつくば市内に二つのホテル(「つくばスカイホテル」「つくばデイリーイン」)を経営する。
 今年六月には、石下町本石下に「石下スカイホテル」をオープン、「リーズナブルな料金と利用者のニーズにあわせたサービス」の経営ノウハウで利用者の支持を得ている。二〇〇二年二月に、ホテル経営部門を分社化した。
     ◇
 石下スカイホテルは、電子機器メーカーの「空き社宅」を借り受け、改装オープンした。新築するより低コストでサービスを提供できるため、宿泊料五千五百円を実現。団体客の無料送迎バスやインターネット環境など付加価値サービスも充実させた。
 ビジネス客から熱い信頼を得ているほか、空き社宅を抱える企業からの問い合わせも多いという。同社では「石下町は学園都市や工業団地に近いだけでなく、筑波サーキット(千代川村)など観光・レジャー施設にも移動しやすい利点がある」と分析している。
 隣接した場所における複数のホテル展開という発想は、山南勝会長の「中小企業は柔軟性が重要」という持論に基づく。隣接することによって、たくさんの宿泊客が来たときに、近くのホテルに振り分けられるメリットを生かす、という発想からだ。
 受付を柔軟にできるよう、同社では受付予約センターを「つくばスカイホテル」内に設置して、人員も必要最小限に抑えている。
 山南会長は「大企業は数字だけで物事を決めがちだが、中小企業は資産の処分や従業員のがんばりなど数字で見えない部分が有機的に計算できる」と強調。「一、二年だけの数字で物事を決めるのでなく、三、四年をかけた見極めが必要」と安直な評価の分析をいさめる。
 長期的視野に立ったシミュレーションにより予測を立てることの重要性を指摘し、「何か予兆があった場合、迅速に対応する姿勢が経営者には必要」と山南会長。グループでは「ビジネス客が求める空気みたいなサービス」を心がけている。そのため、パソコンで仕事ができるようIT環境やフリースポットの整備に余念がない。
     ◇
 山南会長は、会社を設立する前、食用キノコ開発会社に勤めていた。その際、群馬県桐生市で「国際キノコ会館」建設に携わり、そこでの経験や取得した資格が、ホテル経営に役立っているという。
 そうした実績を踏まえ、社員にも積極的に資格取得を勧める。石下スカイホテルでは、地域のためにと地元の文化サークルなどに無料でロビーやラウンジなどを提供。地域に密着したホテルへの挑戦はまだまだ続く。

 【メモ】本社・つくば市千現1―12―4 山南勝代表取締役会長。創業1979年。社員数43人(パート含む)。不動産賃貸管理、不動産取引、アパートマンション仲介、ホテル営繕サービスなど。



BACKHOME