|
|
| |
| 日銀が1年前からミス隠し
|
|
| これには呆れた。日銀が公表している経済統計数値に誤りがあり、しかも、それを知りながら1年間も放置していたというのだ。 ミスがあったのは、日銀が毎月発表している 「貸出・資金吸収動向等」という統計。 一般の人には無味乾燥な数字が並んでいるが、このうち、コマーシャルペーパー(CP)の「銀行等引受分末残」という数字が間違っていた。6月末で見ると、24兆円と発表したが、実際には15兆円だった。実に9兆円もずれていたわけだ。 日銀が金融政策を決める会議の場には、事務方が各種の経済統計を判断材料として、提出し説明する。つまり1年間にわたり、間違った数値を基に金融政策を判断していたと言える。極論すれば、正しい数字が示されていたら、異なる政策が打ち出されていた可能性さえある。 政府は、経済政策の立案に際し、日銀の公表統計も参考にする。民間シンクタンクが景気を予測する時も同様だ。CPの数字は、皆が注目しているというほどではないが、官も民も、そして日銀自身も虚偽の数字を前提に、大真面目に議論してきたことになる。 しかし、ミス以上に問題なのは、それを隠す日銀の体質だ。日銀が事実を明らかにしたのは7月25日。その時の担当課長説明は、@数週間前に転勤になった前任者からの引継ぎに、この問題は含まれていなかったA前者は1年前からミスを知っていた―という簡単な内容。結局、記者の追及を受け、日銀は調査の上、8月中旬をめどに事実を明らかにすると約束した。 そもそも、日銀は事の重大さを認識していたのかどうか。記者クラブへの通知は「貸出・資金吸収動向等(速報)の一部計数の修正について」という、ぶっきらぼうなものだった。技術的な細かい話と思い込み、説明を聞きに行かなかった新聞社もあったらしい。 しかも、記者会見室で配られた発表資料は「一部計数が、日本銀行の求める定義とは異なる報告計数に基づいて作成されていることが明らかになりました」と、他人事のような記述ぶり。9兆円も違っていたことや、1年前から間違いに気が付いていながら、そのまま発表を続けていたことなどは、担当課長の説明が進むにつれ、徐々に判明していったらしい。 誰がいつからミスに気が付いていたか、なぜそれを隠していたか。組織ぐるみの隠蔽工作と、勘繰ることもできる。こうした憶測が生まれること自体、いかに信頼を損なうか、日銀は自覚しているのだろうか。日銀が好んで使う「アカウンタビリティ(説明責任)」が問われている。 |
|