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経済評論家 久田昭一郎
日本型経営で生き抜く
工夫と改善で中国に対抗
景気の先行きを楽観視する空気が強まってきた。四―六月期の国内総生産(GDP)は六期連続のプラス成長で、年率換算で2・3%増を記録、日経平均株価も一万円台を回復した。「企業の設備投資、個人消費も回復してくるだろう」と期待をつなぐ。

企業の設備投資動向が反映される機械受注は今年に入って2・四半期連続で増加している。企業業績は合理化効果もあって回復軌道にある。しかし、デフレで企業の売り上げが伸びない。経済統計の数字と現実との間にかい離を感じる企業経営者も多い。

デフレの影響は中小企業に強く表れている。バブルが弾け、金融が崩壊したがデフレ経済を招いた。それだけでなく、東西冷戦が終了し、東欧やロシア、そして中国が先進市場経済に参入してきたことが大きな要因だ。

社会主義から市場経済に移行、安い労働力で生産した製品を供給すれば、価格が下がるのは当然。大きな打撃を受けた日本企業も多い。本来、輸出が増えれば、その国の賃金は上がり、通貨は切り上がる。しかし、中国は元レートを動かさず、現地の企業は内陸部から若い労働力を調達、コストを抑制できる。

生産規模も、市場としても巨大になった中国に多くの企業が進出している。しかし、地域とともに生きてきた企業は、簡単に決断できない。企業が育て、受け継ぎ、守ってきた雇用、技術という文化がそこにあるからだ。

生き残るには中国に勝る競争力を持つことだ。中国の賃金が安くても、製品を日本に輸送し、倉庫に保管するとコストは余分にかかる。賃金に差があっても生産効率を高めれば、その差を埋めることができる。

「スクーターは自転車の代用がほとんど」と考えたメーカーは、機能を徹底的に簡素化、中国製品を大幅に下回る価格の国産二輪車を発売した。小売業界では、微妙に「好み」が変化する消費者に対応するため、国内生産にこだわった衣料品、食品を企画、販売した。

在庫や物流の効率化を意識し、消費者と直結した商品を作ることで、逆に工程が複雑になり、生産コストが膨らみかねない。どう工夫するかで競争力が決まる。

トヨタ自動車の「カイゼン」に代表される日本メーカーの生産効率化は、研究開発投資だけでなく、現場従業員の工夫、提案によるところが大きい。職場に対する愛着と誇りからこうした改革が生まれる。「終身雇用」「現場の教育と継承」といった日本の企業文化を見直し、自信を持って経営を進めていくべきではないか。




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