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| 防戦必至のWTO閣僚会議
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| 九月十日からメキシコのカンクンで世界貿易機関(WTO)閣僚会議が開かれる。二〇〇四年末の決着を目指す新多角的貿易交渉(新ラウンド)の折り返し地点となる会議の狙いは、交渉に弾みをつけることにある。貿易立国・日本の立ち振る舞いが注目される。 結論から言えば、日本にとって防戦一方の会議になるだろう。まして、自由化交渉を前進させる離れ業は期待できない。総選挙の足音が高まる中、アキレス腱である農業自由化で譲歩できる余地が限られているからだ。 農水省にショックが走ったのは、八月十三日のことだった。それまで、激しく対立していた米国と欧州共同体(EU)が、農業自由化について共同提案したのだ。日本はEUと手を組んで、米国、オーストラリアなどの農産品輸出国に対抗しようと考えていたが、基本戦略を根本的に見直さなければならない状況に追い込まれた。 実際、WTO事務局が八月二十四日に示した閣僚宣言案は、米欧提案を下敷きに、厳しい内容となった。具体的には、関税率に上限を設定するほか、その上限以下に引き下げられない国には、最低輸入量(ミニマムアクセス)の拡大か、他の品目の関税引き下げを求めている。 上限の数字は今後の交渉次第だが、関税率490%のコメはもちろん、460%の雑豆、330%のバター、290%のでんぷんなどが引っかかるのは確実。仮にコメの関税率を高水準に据え置こうとすれば、他の農産品の関税率を下げるか、現在7・2%のミニマムアクセスを拡大しなければならない。 一方、日本が攻める立場にあるのは投資ルール。開発途上国に工場進出した際、一方的に税制を変えられたり、送金を制限されたりしては困るので、最低限の国際ルールを構築しようという提案だ。 日本の二〇〇二年度の国際収支は、海外現地法人からの送金や証券投資の利子・配当支払いである所得収支の黒字が八兆円を超え、貿易黒字の十一兆五千億円と比べ遜色ない水準に達している。海外から安定的な送金を受けることができるかどうかは、日本の将来を左右する。 日本の代表団はカンクンで、投資ルールの導入を声高に主張するだろうか。これはできない相談だ。投資ルールに反対する途上国の多くは、農産品輸出国。日本が投資ルールで強気に出れば出るだけ、途上国は農業自由化で攻勢を強めるからだ。 国内調整が付かないまま、国際会議に臨む日本。戦略なき国家の姿が、ここにある。 |
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