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技術を生かすコスト管理
モーターショーで未来を競う
第三十七回目となる東京モーターショーが千葉市の幕張メッセで開幕、二十五日から一般に公開される。モーターショーは世界各地で開かれるが、東京は有数のショーだ。日本が大きな市場であるという理由だけではない。米国でビッグスリーを脅かすなど、日本の自動車メーカーは世界市場で地歩を固めているからで、技術、コスト管理で競争力を確保した自動車業界は、日本の産業が生き残るモデルでもある。

昨年はトラック、バスなど商用車のショーだったが、今年は乗用車、二輪車。カーマニア、バイクライダーにとってはわくわくするような展示が広がる。しかし、マニアがたん能するだけではない。水しか排出しない燃料電池車、IT(情報技術)の活用など未来を先取りしたクルマを、内外のメーカーが競うように見せる。将来の生活を考える機会であり、技術への好奇心を満足させるだろう。

燃料電池車は実用化されたとはいえ、価格は一億円を超えており、まだ「夢の車」だ。しかし、こうした高額の技術を使った自動車を広く販売できる価格まで引き下げられかどうかでメーカーの力が試される。そして、技術力の高さが評価され、一般車の競争力を高める。かつて米国市場に挑んだホンダは、厳しい米国の排ガス規制をクリアし注目を浴びた。トヨタ自動車、日産自動車など日本のメーカーは日本型の生産システムで米国に浸透、トヨタは米国の販売台数で第三位の座に届きそうだ。

自動車メーカーは地球規模で競争、日本を含め各国のメーカーは国際的に提携している。エンジンや車体を共同開発もあり、各社の技術を生かし、大型車と小型車など不得意分野を相互に補完する形で供給する提携もある。また、日産のようにルノーの資本参加を得て経営を再建、「V字型回復」を果たしたケースもある。

日産の業績悪化は競争力の低下によるものだったが、カルロス・ゴーン社長の下で短期間に再建を果たしたのは、高い水準の技術力、労働力を持っていたからだ。自動車は多くの部品を調達して組み立てる。トヨタに代表されるように部品メーカーを含め在庫を少なく、効率的に生産することで競争力を高めてきた。独創的な技術を開発し、効率的な生産システムを確立する。安い労働力による製品と競争し、ライバル企業に打ち勝つ法則である。

モーターショーで華やかに先端技術や「夢」をみせる。見せるだけでなく、その技術をコスト競争力のある商品にいかに早くできるか。ショーの裏でレースは始まっているのだ。



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