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「観光小国」返上にソフト充実を
大赤字の旅行収支
家族サービスで、初めて東京ディズニーランドに行った友人が週明け、疲れ切った表情で言った。「いやあ、混んでいた。それは覚悟していたけれど、驚いたのは外国人が多かったこと」―。

竹中平蔵金融・経済財政担当相は「日本には素晴らしい観光資源があり、日本も観光の就業率を倍くらいにしたい」と持論を展開する。それによると、就業人口に占める観光関連への従事者は、欧米の10―12%に対し日本は5―6%。これが観光雇用倍増の根拠だ。

確かに日本の国際収支を見ると、物品(ハード)の貿易で稼いでいるが、サービス(ソフト)貿易は大幅な赤字。とりわけ旅行収支は、今年度上半期(四―九月)で四千九百二十九億円の受け取り、一兆四千七百二十五億円の支払いと、差し引き九千七百九十六億円のマイナス。受け取りと支払いの比率は一対三。日本人が海外で落とす三分の一のお金しか、外国人は日本で使っていない計算だ。

これでも、今年は新型肺炎の影響で、海外旅行が手控えられた結果、旅行収支の赤字は大きく縮小した。去年の同じ時期の受け取り・支払い比率は一対八だった。日本人の海外旅行好きもあるが、竹中氏の言うように、日本は、これだけの文化資産を持っているにしては、訪れる外国人が少ない「観光小国」なのだ。

円高の影響もあろう。日本にいる外国人は、例外なく物価高を嘆く。もっとも、大いなる勘違いをしている例も目立つ。出張ビジネスマンに多いのだが、成田空港からタクシーで都心のホテルに乗り付け、食事は英語の通じるホテル内で済ますようでは、お金がいくらあっても足りない。これでは、「次は家族一緒に観光で来よう」と思うはずがない。

こう考えると、冒頭の東京ディズニーランドの話は心強い。日本の伝統的な観光資源も見てもらいたい気もするが、まずは外資のエンターテーメントが持つ集客力に学ぶべきではないだろうか。海外からの観光客を誘致しようとするなら、数カ国語で書かれたパンフレットを用意するくらいの努力はするべきだし、安くて便利な宿泊施設や交通手段の情報提供も不可欠だ。

何よりも押し付けはダメ。米国の友人は初めて日本を旅行した時、どれも同じにしか見えない神社仏閣に連れ回され、閉口したという。日本料理も悪くはないが、やはりハンバーガーを食べたくなったというのも本音だ。観光小国」の汚名を返上するためには、観光資源というハードに甘えるのではなく、ソフトを充実していく必要がある。



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