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| 組織に外の空気を |
| 整備士試験問題の漏洩
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| 先ごろ、バレーボールの大学選手権の対戦相手を決める抽選で不正があった。抽選会を管理する学生の大会役員がくじに目印をつけ、自分のチームが戦いやすい相手と当たるようにした。そして、自動車整備士技能検定の国家試験。問題作りに加わったトヨタ自動車の幹部から試験問題が漏れ、系列の販売会社に配布した問題集に「マーク付き」で掲載された。 トーナメント大会はくじ運で成績が大きく左右されることがある。チームのことを思ったのだろう。問題漏洩があった整備士試験は、特に高度の知識が要求される「一級小型自動車整備士」。販売会社は単に自動車を売るだけではない。整備をはじめ顧客にサービスを提供する拠点だ。優秀な整備士を多く抱え、サービスの質を高めたい。問題集にマークまでつけてしまった。 トヨタをはじめ自動車各社は高い収益を上げている。部品調達、生産方法を改善してコストを削減するだけでなく、サービスなど関連分野のビジネスを進めている。車載端末にインターネットで情報を提供しているし、カード会社もある。ガソリンを入れたり、ローンを支払ったり、自動車関連でカネの出し入れが多いからだ。しかし、整備は定期的だし、販売会社の根幹業務だ。 試験問題を漏らしたトヨタ社員の行為に対する論評は必要ないだろう。社内処分が行われ、三千人を超える販売会社の社員は試験辞退に追い込まれた。それ以上に、不正によるイメージダウンは避けがたい。問題集作りで「マーク」までつけたのは「最高の結果」を求めるトヨタ社内の空気が影響したのではないか。 国家試験の問題作りをメーカー社員に依頼していることについて、国土交通省は「技術は進歩し、高度化、専門化している。メーカーに意見を聞かないとできない」と説明している。関係省庁と業界が協力することは問題ないが、もたれ合いになっていないか。そして業界におごりが出ていないのか。 バレーの抽選は学生だが、整備士試験はトップ企業の管理職。十分な判断力で社内の階段を駆け上がってきたのだろうが、「組織」につかり、身内、自分の会社・グループを中心に考えていく中で、正常な判断力が失われたのかもしれない。バレーは強豪で、実績を残したかった。トヨタはトップ企業。 組織から一歩外に出て、深呼吸すれば「ルールを守ってトップを目指す」という普通の判断力が回復する。そうした余裕が組織に必要だ。 |