|
| 借金まみれの生活 |
| 財政を家計に例えれば
|
| 政府の二〇〇四年度予算案は、恐怖小説さながらの内容だ。怖さが伝わってこないとしたら、兆円単位の話では実感に乏しいためだろう。乱暴を承知で家計に例えてみた。 一家の収入は、夫の年収(税収)四百十七万円と妻のパート収入(税外収入)三十八万円を合計した四百五十五万円。一方、支出面では、田舎にいる両親と地方大学に通う息子への仕送り(地方交付税交付金)で、百六十五万円が消える。医療費や老後の蓄え(社会保障費)百九十八万円も必要だ。さらに、家の修繕費(公共事業費)七十八万円、防犯のための経費(防衛費)四十九万円、教養娯楽費(文教関係費)四十八万円、自治会費(政府開発援助=ODA=)八万円などを加えていくと、年間の総支出(一般歳出プラス地方交付税交付金など)は六百四十五万円に上る。 これで、差し引き百九十万円の赤字。それに加えて、これまでに借金を重ねてきたため、住宅ローンや教育ローンの返済(国債費)に百七十六万円もかかる。しょうがないので、銀行に泣きついて新規のローン(国債発行)三百六十六万円を組んでもらい、つじつまを合わせている。こんな家計が長続きするだろうか。 ところが、竹中平蔵経済財政相は「プライマリーバランスが改善している。改革の芽が財政面でも表れた」と、妙な威張り方をしている。プライマリーバランスというのは、過去の借金返済と新しく組んだローン借り入れを除いた収支。ここで言えば、収入の四百五十五万円から支出の六百四十五万円を引いた赤字百九十万円のことだ。 確かに、〇三年度に比べ赤字額は六万円縮小した。節約に努めたのは分かるが、胸を張れる話ではない。本当なら、とっくに返していなければならない親類からの借金(隠れ借金)十七万円も、待ってもらっている。 そもそもローン返済額の二倍以上も、新しくローンを組んでいること自体が異常。利子が利子を生み、借金の残高(国債など国の長期債務残高)は〇五年三月末で六千万円。友人に対する債務保証(地方の長期債務残高)まで含めた借金の総額は七千二百万円に膨らむ。 なぜ、こんなことが可能かというと、昔から付き合っている銀行が、信用して貸してくれているからだ。しかし、ドライな外国の銀行は「あの家は返せなくなるかもしれない」と見ている(格付の引き下げ)。 財政と家計を同じに扱うことはできないが、かけ離れたものでもない。この家計を一千万倍したのが、日本の財政の姿だ。 |