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今年の日本経済を占う
最大のリスクはイラク
新年を迎え、エコノミストが今年の日本経済を展望している。政府の二〇〇四年度経済見通しは、実質GDP(国内総生産)成長率1.8%。民間シンクタンクの予測も、1%台―2%台前半に集中している。景気の標準シナリオは「本格回復は無理だが、失速の恐れは薄らいでいる」といったところだろうか。

もっとも、経済予測は当たらないことが多い。それでも経済評論家が食っていけるのは、誰も一年前の予測を覚えていないからだ。すぐに結果が出る競馬評論家に比べ、随分と気楽な立場だ。

ということで、外れるのを承知で、景気の標準シナリオを崩しかねないリスクを点検してみよう。日本経済を左右するのは「米国経済」。日本経済は相変わらず輸出に依存しており、米経済の失速は景気回復を挫く。ただ、米大統領選が行われる十一月までは、米経済は順調に成長するとみられる。「円高」も懸念材料だが、一ドル=一〇五円程度までなら、そう足を引っ張らないだろう。

むしろ怖いのは「長期金利の暴騰」。これは、次に述べる「金融システム不安の再燃」を誘発しかねないリスクでもある。長期金利が上がれば、企業、家計とも借金してまで投資しようとは思わなくなる。さらに、規模の割に国債を多く保有する地方銀行は、長期金利の上昇(国債価格の下落)で、含み損を抱えかねない。政府・日銀の連携と手腕が試される一年になる。

金融システムでは、来年四月に全面解禁されるペイオフ(預金の払戻保証額を元本一千万円とその利子までとする措置)の影響がじわじわと出てきそうだ。〇二年四月にペイオフが部分解禁された際には、全額保護の対象から外れた定期預金が解約され、普通預金に流れ込んだ。次は普通預金も全額保護されなくなるため、経営基盤が弱いと言われる銀行から、預金が逃げ出す恐れがある。夏場からこうした動きが出始め、ペイオフ全面解禁の是非で政策論争が戦わされるだろう。

ここまでは経済的な要因だが、本当の危険はイラクや北朝鮮の「地政学的リスク」。イラクに派遣された自衛隊員が標的になるだけでも、与党は夏の参院選に惨敗するかもしれない。小泉政権の崩壊、政局の混乱、ひいては経済政策の空白・迷走も可能性ゼロではない。景気の標準シナリオなど、吹っ飛んでしまうリスクだ。

こうしてみると、日本経済は、予見不能な要因に身を委ねていることが分かる。年頭の経済見通しが当たらない由縁だ。これは言い訳だが…。



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