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| 青色LED判決を考える
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| 「二万円」「二百億円」「六百億円」―。店によって、同じ商品に違う値札が付いていても驚かないが、これほど値段に開きのある例は聞いたことがない。東京地裁は一月三十日、「青色発光ダイオード(LED)」の発明者に巨額の対価を支払うよう、会社に命じる判決を下した。 訴訟は、中村修二・米カリフォルニア大学教授が、かつて勤めていた日亜化学工業(徳島県阿南市)を相手取り、青色LEDを発明した対価として、二百億円を支払うよう求めて起こした。これに対し、東京地裁は、生産が本格化した一九九四年から特許が切れる二〇一〇年までの売上高を一兆二千億円強、特許を独占することで得る会社の利益を千二百億円強と算定。その半分の六百億円強を発明の対価と認定し、請求通り二百億円満額の支払いを命じたのだ。 「発明の価値」をどう考えるか。今回のケースを整理すると、会社の評価は、在職中の中村さんに支払った褒賞金の二万円なのだろう。中村さん自身は二百億円と弾いていたが、東京地裁の判定は、これをはるかに上回る六百億円だった。意を強くした中村さんは、請求額を上積みするという。 けたが違うどころの話ではない。会社と東京地裁の間には、実に三百万倍もの価値観の相違がある。ニュースを見て、「羨ましい」「自分にも発明の才があったなら…」などと、盛り上がった職場や茶の間は多かったのではないだろうか。 一方、産業界は「こんなことが罷り通ったら、会社は潰れてしまう」と深刻に受け止めている。また、開発・研究に不可欠なチームプレーを無視して、自分の手柄にしようとする研究者が続出しかねない、と指摘する人もいる。 こうした主張は、もっともだと思う。青色LED発明の対価として、いくらが適正なのかも、分からない。しかし、特許などの知的財産権を大事にしなければならないのは、議論を待たないところだ。 国際収支表を見ると、日本は貿易で稼いでいる半面、サービスでは大赤字を出している。この傾向は相変わらずなのだが、二〇〇二年度には注目すべき変化があった。サービス収支の中の「特許等使用料」が、わずかながら初めて黒字になったのだ。 恐らく、この黒字は定着して増加していくだろう。猛追するアジア諸国を考えると、特許で稼げるようにならないと困る。判決の是非はともかく、青色LED問題は世の中に話題を提供した。これが知的財産権の重要性を認識させるきっかけになればいいと思う。 |
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