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| 社員研究者に妥当な処遇を
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| 特別な技術を持っていなくても、日常生活のちょっとした工夫が特許を生み、副次収入を得ている人もいる。研究成果、技術、デザインなど知的財産権は十分に尊重され、擁護されるべきだ。もちろん、その対価も発生するし、企業や団体に属していれば相応の処遇も当然だ。しかし、ケタ違いの金額が出てくると、首を傾げてしまう。 携帯電話などデジタル機器、信号などに使われる青色発光ダイオード(LED)。企業の技術者として、これを開発した中村修二氏が勤務していた日亜化学工業(徳島県阿南市)に、譲渡した特許権の対価の一部を求めていた訴訟で、東京地裁(三村量一裁判長)は二百億円の支払いを命じた。 判決は、特許を独占することで日亜が得る利益を千二百八億円とした上で、中村氏の貢献度は「五〇%を下回らない」として六百四億円を対価と認定。中村氏の請求が二百億円だったため、請求通り支払いを命じた。 この判決に驚き、反発したのは、「他の研究開発者や企業の貢献を正当に評価していない」と控訴した日亜だけではない。判決は「独力で発明を達成した特殊な事例。直ちに一般化できない」と付け加えているが、社員が開発した新技術で多額の利益を得れば、多額の対価を支払わねばならないということになれば、企業は海外に研究開発拠点を移すことになりかねない。 中村氏は開発後に退職、米カリフォルニア大サンタバーバラ校の教授となった。日本の多くの企業は終身雇用を前提に、研究者に研究・開発に従事させている。成果が求められるが、安定的な収入を得られる。判決が指摘するように今回の青色LEDは稀有な例かもしれないが、企業の商品開発には研究開発部門が協力し、研究者を集中的に投入する。企業内の人間関係にも影響を与えかねない。 企業は研究者の待遇を充実させている。中村氏が一九九三年に青色LEDの開発に成功した時は二万円の報奨金だけだったという。しかし、報奨金の金額は引き上げられているし、企業によっては役員並み報酬、自由な研究環境を整えるところもある。政府は国会に提出した特許法改正案で、自主的な労使契約として決まった発明の対価算定ルールを、裁判所が尊重することを打ち出した。 日本の製造業は国内で技術先行、高付加価値製品の生産に軸足を置いている。雇用慣行と調和を図りながら、企業の活力を高めていく必要がある。 |
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