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| 賃金よりも労働条件
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| 電機、自動車などの大手各社は十七日に、労組が提出した二〇〇四年春闘要求に対する回答をいっせいに提示する。一時金に業績をどのように反映させるかが大きな焦点。春闘は賃金よりも、配偶者の出産特別休暇など労働条件を協議する様相が強まっている。フリーターや派遣労働、生産の他社委託の増加といった最近の企業経営の現状を踏まえ、「働き方」について労使間で協議する時間が今後増えていきそうだ。 大手企業は急速に業績を回復させており、今三月期決算で史上最高利益を更新する企業も多い。しかし、労組は昨年と同様、ベースアップ(ベア)を要求しない。従業員全体の給与水準を引き上げ、総人件費が膨らむベアを実施すれば、安い賃金とおう盛な勤労意欲に支えられた「中国製」との「競争力」がますます低下する。また、電機各社は生産設備の廃棄や譲渡、人員の削減などリストラで業績を回復させたところが多い。 労組もこうした事情を理解しており、日産自動車、ヤマハ発動機などの労組を除くと、ベアを要求していない。昨年はリストラのさ中で、「雇用か、賃上げか」を迫られたが、今年は企業の景況感も改善している。経営側からみても「妥当な要求内容」(トヨタ自動車首脳)になったのは、好業績は一時金に反映させることで労使のコンセンサスが確立していることも大きい。さらに会社への貢献度を測り、賃金を決める成果主義型制度の導入した企業では、ベアの意味合いが薄れてきた。 このため、賃金を除く労働条件について労使の協議が進んでいる。電機業界では、妻の出産時に夫が取得できる特別有給休暇を五日間程度に増加させる方向だ。成果主義型賃金の考えに立つと、成果や能力に関係なく支給される家族手当はそぐわない。しかし、「子育て支援」という側面から、子どもに対する扶養手当を増やす動きも出ている。 外から見ると分かりやすい「ベア春闘」は変質してきた。もっとも、自動車、電機の大手は極めて恵まれた企業群である。中小企業には定期昇給制度がないところもある。連合は「賃金カーブの維持」として五千二百円の目標を掲げ、今月下旬に本格化する交渉を支援する構えだ。 一方、派遣労働の活用、製造の外部委託といった問題も出てきている。企業の社会保険負担が少ないパート、フリーターは、小売業を中心に重要な労働力で、企業の業績の向上にも寄与している。このため、連合はフリーターなどの労働条件についても取り組みを強めている。「ベアなし春闘」はより大きな課題を抱えながら「働き方」の問題に取り組むことになる。 |
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