|
|
| |
| 日本の命運握るバブルの着地
|
|
| 前回の本欄でも中国に端を発する国際商品市況の上昇問題が論じられていた。急成長を続けるこの大国は、その危なっかしさから目が離せず、国際経済分野で米国もかすむスターにのし上がった感がある。中国国家統計局は今月、「一部業種や地域で効率の悪い投資や建設がまだ抑制されていない」と指摘した。まだ抑制されていない、ということは当局も過剰投資状態にあることを率直に認めて、懸念しているわけだ。 つまり中国経済はバブル気味の過熱状態にあることは、もはや当局公認、明白なのだ。問題は、その収束、着地がどうなるかである。中央銀行である中国人民銀行は昨年9月から預金準備率の引き上げを開始。6%から数次に渡り7・5%までの金融引締めを実施した。人民銀行は、バブル業種として鉄鋼、セメント、不動産、自動車を名指しし、政府はアルミ精錬所などの新規プロジェクトを禁止する措置まで取っている。 だが、秋に引き締めに入っても中国の国内総生産(GDP)の実質伸び率は、昨年、SARS(新型肺炎)流行の影響をものともせず、9・1%増を達成。今年は7%成長を目標に景気の軟着陸に必死だが、4月に判明した今年1〜3月の実質GDPは9・7%成長とさらに加速するありさま。昨年1〜3月に前年同期比で0・5%上昇程度だった消費者物価は、今年1〜3月に一気に同2・8%上昇に跳ね上がった。人民銀行の周小川総裁は3月、デフレ、インフレ両にらみ政策からインフレ警戒への切換えを宣言した。 日本、アジア諸国から米国まで、中国の「需要」に依存して成長確保している。昨年、日本の輸出相手国は台湾、香港を含めば中国圏がトップだ。また、対米政策は巧妙で、例えば、航空機需要の伸びを背景に大規模な「国策輸入」を実施し、有望市場であることを強調する。主要国も、中国バブルを声高に懸念して世界の市場や経営者のマインドを冷やすことを避ける。北京オリンピック、上海万博まで数年は特需が続く、というように。 しかし、この潜在的リスクに日本の政策当局が無関心であるはずがない。楽観シナリオは、1〜3月の高成長は金融引締め継続を見越した駆け込み需要によるというもの。悲観シナリオは「かの国では金融政策が浸透する市場システムがなく、制御不能」という仮説。いずれが正しいか、4月以降の経済指標を見守るしかない。仮に悲観シナリオが正しい場合、日本が中国バブルの崩壊に直面しても耐えられるだけの、本格的な経済回復軌道に乗っていることを祈るばかりだ。 |
|