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| そ知らぬ顔の小泉、竹中コンビ
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| 政府の金融審議会第二部会の報告が、先頃まとまった。と、これだけでは、何のことか分かる人は、ほとんどいないだろう。審議内容は、金融にまつわる大量破壊兵器の使い方とでも言うべきものだったが、結論を見ても誰も驚かなかった。 少し、話が逆上る。竹中平蔵経済財政相が、柳沢伯夫氏の解任を受けて金融相を兼任したのは二〇〇二年の秋だった。間もなく、新たな竹中行政指針となるはずの竹中プランの素案として出まわったペーパーは、大手銀行に対して例外なく一斉資本注入を強要する劇薬的内容で、金融界と政界に激震が走ったものだ。東京三菱銀行などは、公的資金の注入も受けず、比較的資産内容が良好なはず。そこも含めて資本不足に追い込む新ルールとは、繰延税金資産(将来の税還付を見込んで資本参入できる資産)を大幅に制限するアイデア。これに対し、金融界からは「ラグビーのルールでプレーしてたら、いきなり試合中にサッカーのルールに変わり、ハンドや何かで退場させるという、バカな話だ」と憤懣は爆発した。 もともと、この劇薬案は竹中氏が米国側の盟友であるハバード米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長(当時)や、ベーカー駐日大使らも交えた数人の米要人に背中を押され、勢いづいて竹中ブレーンの最過激案を選んでぶち上げたもの。ただ、自民党中枢から激烈な非難を受け、マスコミの論調も賛否で微妙に割れつつ大報道合戦に突入、まったく収拾がつかなっくなった。小泉純一郎首相―竹中氏ラインも処置に窮した。 一方、米側の要人たちも所詮は対日圧力の先陣・手柄争いだったようで、日本の金融システム問題に確固たる信念もなく、世論の大反発にあっという間にトーンダウンした。竹中グループは、振り上げた拳を下ろせずに立ち往生に至った。 余談になるが、結局、武藤敏郎財務省次官(当時)が急遽持ち出した「産業再生機構」構想を竹中プランに盛り込む奇策により、なんとか論点をずらし、混乱状態を冷却化。肝心の繰延税金資産問題は、五味広文金融庁監督局長と金融審議会に「具体策を検討せよ」と丸投げし、知らん顔を決め込んだ。その五味氏は夏から金融庁長官だ。 前置きが長くなったが、この問題の結論的報告が、約一年半を経てようやくまとまったのだ。もう、誰も注目しない。報告では、繰延税金資産は資本としての性格がぜい弱だと、一応は厳しく指摘。しかし、この「半端者」資本を制限する時期は、「マクロ経済政策との整合性を考慮して適当な経過期間を設け、段階的に実施すべき」とした。大量破壊もないし劇薬でもない。十分に景気がよくなり、金融不安が忘れ去られるまで棚上げ、ということだ。報告を受けた竹中氏の表情にに無念さは見えない。もちろん、竹中路線にゴーサインを出した小泉首相の鉄仮面からはまったく何も読めない。二年近く前のあの大騒ぎのことなど、首相の記憶のかけらにすらないのだろう。 |
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