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| 日本の銀行を長年苦しめてきた不良債権問題は、先の二〇〇四年九月期決算でようやく峠を越え、最終的な「解決」に向けて秒読み段階に入ってきたようだ。UFJホールディングスクを除く大手銀行六グループは、いずれも「金融再生プログラム」で義務付けられた〇五年三月末の不良債権比率半減目標を前倒しで達成。問題のUFJも懸案だったダイエーの産業再生機構送りが実現したことなどで、期限内の達成にほぼ目安がついた。 大手銀行グループの〇四年九月中間決算で明らかになったことは、次の点だ。(1)期中の不良債権処理費用が概ね業務純益の範囲内に収まり、(2)その結果、連結最終損益の黒字基調が定着した(3)株式の保有残高が中核的自己資本の六〜七割の水準まで減り、株価変動リスクを受けにくくなった―ことである。 もちろん、大口債務先の不良債権処理をまとめて実施したUFJや、期初の予想処理額が上振れた三井住友銀行などは、先行するみずほや三菱東京に比べて、最終利益ではかなりの差がついた(UFJは大幅赤字)。だが、これは不良債権処理の「最後のひと山」を越える際の必要コストと考えてよい。程度の差はあれ、各グループとも財務改善が急ピッチで進んでいることは間違いない。 ただ、「負の遺産」処理をほぼ達成したといっても、肝心の業務純益の水準は前年実績を下回っており、主力の銀行貸し出しの減少に歯止めがかからない、など収益力強化の面ではどのグループも苦戦中だ。景気は徐々に回復に向かっているというものの、大企業向けの資金需要は依然低迷したままであり、中小企業向け貸し出しも思ったほど伸びていない。 加えて、数年前から取り組んできたリスクに見合った金利設定という実効金利の引き上げも、優良中小企業向けをめぐる金利ダンピング競争などで、有名無実化している。その結果、利ザヤ改善は思うように進まず、欧米の主要メガバンクと比べた収益力格差はむしろ広がりつつあるのが現状だ。 そこで各グループとも、利ザヤの大きい住宅ローンなどの個人向け融資や中小企業向け無担保ローンなどの新型融資の拡大で「量」を稼ぐ一方、投資信託などの窓口販売による手数料収入を中心とする非金利収益を伸ばす方向に活路を見いだそうとしている。実際、九月中間決算でも、この非金利収益は着実に増加。十二月からは証券会社に株式売買を取り次ぐ証券仲介業務が解禁され、銀行本体で取り扱える金融商品の幅が広がった。 銀行窓口での投資信託、証券、保険などの販売拡大は金融庁が積極的に後押ししていることもあり、銀行による「金融ワンストップ・サービス」化の流れは、今後の銀行経営の中核を担う可能性もある。 ただ、銀行がそうした総合金融サービスの中心となるには、銀行自身の財務改善はもちろんだが、多くの金融商品を取り扱えるだけの従業員教育やコンプライアンス(法令順守)の徹底、利用者利便の向上など、これまで以上の体質強化が求められる。また、関係する証券、投信、保険会社などとの資本連携も含めた関係強化を進めていかざるを得なくなるだろう。 大手銀行グループは、不良債権処理という長年の重荷からようやく解放されつつある。しかし、収益力強化という次の高いハードルを越えるにはまだまだ時間がかかる。今後は、既存の金融業態を超えた総合機能型の銀行経営をどう進めていくのか、各グループの経営手腕が厳しく問われる時代になる。 |
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