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| 規制機能めぐり全面対決
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| 今年度内の株式上場を目指す東京証券取引所が、上場の可否を審査する金融庁から難問を突きつけられて大揺れに揺れている。産業再生機構による支援で経営再建中のカネボウ株の上場廃止を決めた直後に、東証は上場廃止基準の見直しと規制部門の切り離しについての見解を示すよう同庁から異例の「報告命令」を受けた。事実上、金融庁が東証に対して廃止基準の見直しと規制部門の分離を指示したと受け止めるのが正しい解釈だろう。これに対し、東証はいずれも拒否する回答を同庁に提出した。「国策」として再建を進めているカネボウの上場廃止をきっかけに、両者は真っ向からぶつかりあった格好だ。 東証が株式会社になったのは二〇〇一年十一月。それまでは取引を行う証券会社が集まった会員組織だったが、営利追求の考え方を導入することで、とかく役所的だと言われた東証の経営効率アップや役職員の意識改革、機動的な資金調達が可能になるとして、株式会社化に踏み切った。当初から早期の株式上場を目指す方針も明示されており、今年度中に東証株を東証自身に上場する予定で作業が進んでいる。一般企業の場合、上場の可否を判断するのは東証だが、自社の株を自ら判断するのは問題があるため、東証が自市場に上場する場合は金融庁が審査する。 ところが、本格的な上場準備を進める段階になって、金融庁とのバトルが始まる。きっかけはカネボウの上場廃止決定だった。産業再生機構の支援により経営再建中のカネボウに巨額の粉飾決算が見つかり、東証は五月十二日に同社株の上場廃止を決めた。鶴島琢夫東証社長は「財務情報の正確な開示は健全な証券市場の生命線だ」と強調し、長年にわたり虚偽の情報を流し続けたカネボウの行為は、証券市場の信頼を失墜させる重大な違反行為だと結論付けたのである。 証券市場関係者の多くは東証の判断を支持するが、金融庁は違った。同庁の問題意識は「粉飾の影響が重大だから廃止ではあまりに裁量がなさすぎる。粉飾が発覚した経緯や今後の市場に及ぼす影響などの要素も勘案すべき」というものだ。一方、東証は市場の透明性、信頼性確保のため「可能な限り裁量の余地がないようにすべきだ」との立場。金融庁の報告命令に対して、上場廃止基準は見直さないが、早期に再上場できる措置を検討する―と回答した。また、金融庁が暗に求める規制機能の分離も拒否した。双方の考えには相当の隔たりがあり、調整は難航必至。東証の株式上場時期は延期になることが濃厚だ。 ただ、この問題は時間をかけても「株式会社東証」が上場前に整理しておくべき重要なテーマである。東証トップには約四十年にわたり大蔵省の有力OBが務めてきたが、昨年四月に生え抜き社長が誕生した。かつては、こうした問題は密室で調整され、ここまで対立が鮮明化することはなかっただろう。このため兜町には「東証の生え抜き社長に対する金融庁のいやがらせ」との見方もあるが、そんな後ろ向きの解釈よりも、取引所と監督官庁の関係があるべき姿になってきたと考えたい。 |
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