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| 家計、個人消費に明るさ兆す
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| 完全失業率が4・2%まで低下し、六年十一カ月ぶりの低水準まで改善した。現金給与総額も三カ月連続の増加。なかなか景気回復の恩恵が回ってこなかった家計部門だった、マクロ経済指標の数値には、ようやく薄日が現れている。福井俊彦日銀総裁は「景気の踊り場脱却は間違いない」というが、これは強気に過ぎよう。回復の遅れている地方の人は怒るだろう。それに、近未来を担う二十四歳未満の失業率は7・8%にも達する。さりながら、原油高など不安要因を抱えつつ、景気回復が個人消費に波及する兆しが現れているのは確かだ。国内総生産(GDP)の六割を占める個人消費の活性化で、内需主導の景気回復が起動し始めるか、まさに注目期だ。 雇用、所得好転の背景は、企業業績の回復が続いていることにある。新光総合研究所がまとめた三月期決算の東証1部上場全産業(除く金融)の最終利益は二〇〇三年度末で前期比946・2%増、〇四年度で同80・5%増、〇五年度末で同27・2%増。この結果、財務省の法人統計季報では配当後の余剰資金は、対象企業で二百兆円に上る。 この金余りにより企業は、〇三年から設備投資計画を強気で維持してきた。さらに、バブル処理の借入金返済も一巡し、ようやく家計部門に景気の恩恵が回ってきた形だ。 若年層の失業率が高いため、総務省は慎重さを崩さないが、明るい兆しは他にも散見される。厚労省の毎月勤労統計では、固定費に当たる所定内給与が、四月に前年同月比3%増、五月に5%増、六月に0・3%増と匍匐(ほふく)前進。リストラが続いた正社員(一般労働者)も四、五月が1・1%増、六月が1・0%増で、企業は固定費の増加覚悟で「戦略的な業容拡大」に向けた戦略に入ったと見える。雇用の改善は個人消費にも波及し、経済産業省の商業販売統計では、小売りが自動車、衣料、高級ブランド品などを中心に六月で四カ月連続増加した。退職世代の預貯金取り崩しが、消費を支えているとの指摘がなされていたが、二〇〇四年のサラリーマン世帯の消費支出は、前年度比0・8%増と八年ぶりにプラスに転じた。ただ、今年度四、五月はマイナスで六月はわずか0・1%プラス。一進一退だ。 消費のポイントはマインドかもしれない。勤め先の企業には、当面使うあてがない金が二百兆円も余っている。職場には、何となく余裕がただようのだろうか。楽観マインドが、より明確な所得増に確実につながっていくのを祈るばかりだ。 | |