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| 郵政解散にも動じない株式市場
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| 郵政改革法案が八月八日の参議院本会議で否決されたことを受けて、小泉純一郎首相は同日、衆議院の解散に踏み切った。この日の株式市場は午前中こそ値下がりしたが、参院で同法案が実際に否決されたのを見届けると、ジリジリと値上がりに転じ、最終的には小幅高で取引を終えた。解散が「想定の範囲内」だったことや日本経済が回復基調にある中で政局の混乱が市場に与える影響は限定的だとの見方が大勢だったため、兜町用語で言う「材料出尽くし」で買いが優勢となった。ただ、総選挙後の政権がどうなるかなどは不透明感が強く、今後の市場の波乱要因になる可能性がある。 「想定の範囲内」という言葉は、ニッポン放送株買収で話題を集めたホリエモンこと、ライブドアの堀江貴文社長が連発したことで流行語になったが、株式市場には昔から「織り込み済み」という、似たような表現がある。 株価は将来の状況を想定しながら形成される。その典型的なものが、企業の業績見通しだ。現在の業績よりも半年先、一年先の業績がどうなるかに市場は注目し、「だいたいこれぐらいの利益が出るだろう」との想定でその会社の株は売買される。実際の決算発表で「想定の範囲内」の数字だった場合は、業績がどんなに良くても「織り込み済み」と受け止められ、株価を売買する材料にはならないのが一般的だ。 一方、市場が混乱するのは「想定外」のケースである。その象徴的な出来事として思い出されるのは、二〇〇三年四月の「ソニー・ショック」。同社が発表した〇三年三月期の連結最終利益は千百五十五億円と好調だったが、事前の予想千八百億円を大幅に下回ったため、ソニー株には売りが殺到した。当時のソニーは「勝ち組」企業の代表格だっただけに、予想を裏切る業績に市場は仰天し、他のIT関連企業なども軒並み売り込まれた。ところが今年七月に同社は業績予想を大幅に下方修正したが、市場はこれを冷静に受け止めた。ソニーがひと頃の勢いを失っていることを相場はかなりの程度織り込んでいたので、再度のソニー・ショックは起きなかったというわけだ。 さて、本題に戻って、今回の衆院解散・総選挙の株式市場への影響だが、関係者の間では「選挙後の政権が構造改革路線を大きく変更することはないだろう」との見方が支配的だ。また、バブル崩壊後の金融システム不安が強かった頃に比べて、現在は、銀行の不良債権処理が進んだ上、企業もリストラを猛烈に行ったことで業績は向上している。政権がどのような形になろうと、景気回復は続き、株式市場にも大きな影響はない、との見方が出てくるのは自然な成り行きだ。しかし、忘れてはならないのは、最近の日本株上昇の主役は海外投資家の買いである。総選挙で与党が破れ、小泉首相が退陣し、自民党が決別したはずの郵政反対派とも手を握るとどうなるか。日本の構造改革が遅れるとの見方から、海外投資家による「日本売り」が加速する可能性がある。そうなると、株式市場を取り巻く景色は一変するだろう。現時点では、今後の政局を正確に予測することは極めて難しい。衆院解散後、日経平均株価が一万二〇〇〇円台を回復するなど株式市場は好調な動きを続けているが、選挙結果が「想定外」になる恐れが残っていることは認識しておくべきだろう。 |
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