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| 前例のないシステム障害が発生
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| 東京証券取引所で約八年ぶりの大規模なシステム障害が発生した。「事件」が起きたのは十一月一日の早朝。株式などの売買を行うコンピューターシステムが立ち上がらず、午前中の全ての取引と午後の一部、合計三時間にわたり株式売買が不能になるという東証の歴史始まって以来の重大なトラブルだった。背景には株式市場が好調な動きの中、海外投資家やインターネットを利用した個人投資家の注文量の飛躍的な増大に取引所のシステム対応が追いつかないという構造問題が浮かび上がる。 今年に入ってからは、東証ばかりでなく証券取引所と名の付くところは、ことごとくシステム障害に見舞われた。大阪証券取引所は、四月頃から新興企業向け市場「ヘラクレス」に大量の注文が集まり、株価情報の伝達や注文処理の遅れが多発。この結果、ヘラクレス市場への新規上場申請を凍結する異例の事態に追い込まれた。同じく新興企業を扱うジャスダック証券取引所でも注文量の増加で、八月末に午前中の取引が全面停止した。そして今回の東証のケースでは、札幌、福岡の取引所も道連れになった。両取引所は東証にシステム処理を委託していたたからだ。その翌日の十一月二日には、名古屋証券取引所で午前の取引が完全に止まった。 直接の原因は人為ミスなどさまざまだが、一連の問題に共通しているのは、取引量の増大に取引所のシステムが十分対応できていないことである。 「空白の三時間」が生じたシステムダウンについて東証は、当初、富士通が作ったプログラムそのものに欠陥があったと説明したが、その後説明を修正。プログラム自体は正しかったが、それをコンピューターに入力する作業の指示書から必要な項目が抜け落ちていたのが真相だという。指示書を作成したのは同じく富士通だが、出来上がったプログラムが正しくコンピューターに入力できない人為ミスが防げなかった東証の責任も重い。 また、問題となったプログラムは、来年二月に予定していたシステム増強を前倒しで実施する過程で欠陥が見つかり、急きょ手直しすることを決めた。注文量が急拡大する中で、よく言えば緊急対応、別の表現を使えば突貫工事的にシステムに手を入れたことが裏目にでた。東証が取った行動自体は正しいが、ここ数年大きなトラブルがなかったことでシステムに対する過信や油断があったのではないか。 この問題で金融庁は、全取引所にシステムの一斉点検を指示したが、これだけ障害が続いたあとだけに、後手に回った印象が強い。取引所の最大の責務のひとつは、安定した取引機会の提供である。システム変更時のチェック体制強化も一定の効果はあるのだろうが、プログラムから欠陥を完全に防ぐことは不可能だと言われる。システムダウンを想定した上で、その場合でも取引を継続する仕組みの整備こそが課題になる。そのためには、例えば大証など他の取引所との間で相互補完する体制を作るといった思い切った発想で対策を検討する必要がありそうだ。 |
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