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| 数だけは満たしたが
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| 昨年十二月の有効求人倍率では、全国のハローワーク(職業安定所)に申し込みがあった求職者数に対し、企業からの求人が一・〇〇倍となり、数だけをみると求人が求職を満たす形となった。求人倍率が一倍台に乗ったのはバブル崩壊直後の一九九二年九月以来、実に十三年三カ月ぶりだ。この点、景気回復は企業部門から、いよいよ家計部門に波及し、経済は好循環に入る確かな兆しが現れたと言ってよい。ただし、九二年九月に2・2%だった完全失業率は、昨年十二月には4・4%と、二倍に高止まっている。ここには、労働市場の構造変化や、地域間格差など、「人を求める側」と「職を求める側」の要求のミスマッチという難問が横たわっている。 さまざまなミスマッチのうち、最も目立つのは、正社員を望む求職者と、パートなど非正規雇用で人件費の固定化を避けようとする企業側の姿勢だ。企業がハローワークに持ち込む求人票のうち、パートの比率は31・8%(昨十二月)と三分の一近くを占める。これが十三年前には16・3%だったことを考えると、バブル処理の過程で、企業が過剰人員の削減にいかに苦悶し、人件費の固定化に慎重化かうかがえる。この結果、正社員になりたい求職者に対する、正社員の求人は、なんと〇・六五倍の低さにとどまる。こうして、正社員希望者が労働市場に滞留しているいるのが、十三年前の二倍にも達する完全失業率の高さの大きな一因だ。 もうひとつの大問題は地域間格差。例えば、トヨタ自動車など輸送機械の強力な輸出競争力を背景に、東海地区の有効求人倍率は一・四三倍。非鉄などの大企業が集積した北陸なども好調であり、また県別では液晶産業の誘致に成功した三重県などは一・五〇倍にも達する。 その一方で、川崎二郎厚生労働大臣が、自ら閣僚懇談会で「特別な措置が必要」と指摘した不振の道県が七つある。北海道(〇・六三倍)、青森(〇・四四倍)、秋田県(〇・五九倍)、高知県(〇・四八倍)、長崎県(〇・五五倍)、鹿児島県(〇・五八倍)、沖縄県(〇・四一倍)という具合だ。大都市圏から離れたこうした地域に対する施策に妙手があるわけではなく、地域が企画・構想した雇用創出策を助成したり、自治体、経済界、労働局で「地域雇用戦略会議」を設けて、政府が「地域の自助努力」を後押しするのが柱になる。ただ、「人手不足の東海地区の事業所が、東北や北海道に求人を出すケースがあっても、余っている高卒の人材が地元を離れようとしない」というのが実態だ。 厚労省はハローワークで、求職者と企業求人の双方に、条件の柔軟化などを働きかけている。ただ、経済構造、労働市場構造が変化する中で、ミスマッチの解消は容易なものではない。 | |