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| 質重視を転換「ひな型」活用も?
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| 自由貿易協定(FTA)を活用した世界的な貿易自由化の流れに乗り遅れた日本は「幅広く質の高い合意」を目指す方針を転換し、相手国の実情に応じて自由化分野を絞った交渉を進めている。また各省庁が担当分野ごとに相手国と交渉する従来の方式を取りやめ、締結済みFTAを下敷きとした「ひな型」を活用して交渉時間の短縮を図っている。交渉が迅速に進まない事態に危機感を募らせた結果だが、後れを取り戻せるかどうか不透明だ。 ◆3カ国のみ 日本がこれまでにFTAを締結したのは、シンガポールとメキシコ、マレーシアの三カ国にとどまっている。このほかにタイやフィリピンと大筋合意し、インドネシアや南米チリとも交渉を開始したが、「FTAの申し子」と言われるチリは米国や欧州連合(EU)、中国、韓国など主要な貿易相手国と締結済みだ。 その韓国はチリとのFTAをテコに自動車輸出を大幅に拡大し、日本経団連が不満を募らせたほど。世界経済のけん引役ともなっている中国は約三十カ国とFTA交渉を進めている。また東南アジア諸国連合(ASEAN)は中韓両国とFTAを締結済みで、日本との交渉が中断している状況に不信感さえ示している。 ◆事前協議は省略 日本はFTAを通じた世界的な貿易自由化の流れから取り残された感が否めない。FTA交渉が遅々として進まないのは、関税撤廃だけでなく投資協定や労働市場の開放などを含んだ「質の高い自由化」を目指したためだが、ここに来て政府は「合意内容は百点満点でなくても構わない」(外務省幹部)として、「質重視」から「スピード重視」に転換。中断していたASEANとの交渉再開を決定するとともに、ベトナムやブルネイ、インド、スイスのほか、サウジアラビアなどペルシャ湾岸六カ国で構成する湾岸協力会議(GCC)とも交渉入りする。 複数国と同時並行で交渉する決定をした政府は合意目標の「引き下げ」と併せて、FTA協定文書の「ひな型」を準備、さらに、GCCとは、政府間交渉入りする前に行っている産学官の共同研究会を省略するなど交渉の迅速化を図る。外務省は「来年の今頃は、各国から高く評価されている」と見込むが、自由化交渉は利害が真っ向からぶつかる。思惑通りにFTA網の構築が進むかどうか。 |
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