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経済評論家 原田淳也
「行革推進法」後も必要な国民的監視

小泉内閣が今国会の最重要法案と位置付けていた「行政改革推進法案」が先週二十六日ようやく成立した。「簡素で効率的な政府」を目指す改革路線の総仕上げとして、小泉首相としては最後のひとヤマを越えた心境だろう。就任以来の金融システム改革、郵政民営化に続く「官のスリム化」という課題に一応の決着を付けたことはそれなりに評価できる。

ただ、この行革推進法は一種の全体的なプログラム法であって、公務員改革等の目標や改革の方向性を示してあるだけ。実際の具体的な改革の中身は、今後さらに詰めた上で関連法案は今秋までに整備することになっている。「官の改革」に抵抗はつきもの。改革の具体化の中で、官僚たちの「手抜き」や「数字合わせ」による改革の「骨抜き」が行われないよう十分な国民的監視が必要だ。

国家公務員の純減については「五年で5%純減」の目標が設定され、既に6%程度(約二万人)の純減にめどがついたという。大した仕事もない中央官庁の地方出先機関や北海道開発部門の整理をどこまで進めるのか。公務員の数だけでなく、時代に即応した仕事のあり方の改革も必要だろう。また、「市場化テスト」による民間への開放についても、能力主義の導入によって賃金水準がかえって上がる事態も想定される。「天下り」の徹底的な排除も含めて、公務員制度そのものの改革(特に早期勧奨退職の見直し)が欠かせない。

このほか、注目された政策金融改革では、五機関の一本化、二機関の民営化が決まったが、新たに発足する政策金融機関は、国際金融から中小、零細企業向け金融まですべてを取り扱う総合機関となる。かつての国際協力銀行(輸銀と基金の統合)がそうであったように、看板は一つでも中身は二つといった事態を避けるには、組織の融合、人材の育成、天下りの防止がどうしても必要だ。政策金融はあくまで「民間の補完」であることに徹し、一機関への統合によって組織が肥大化するようなことがあってはならない。

一方、民営化される日本政策投資銀行と商工組合中央金庫については、民営化後の具体的な経営モデルがはっきりしない点は大いに気掛かりだ。政投銀はメガバンクとの統合説があり、商工中金はあの郵貯銀行(二〇〇七年発足予定)との合併説まで囁かれている。民営化後の経営は当事者任せというのでは、政府として少々無責任過ぎないか。未曾有の金融改革で多くの金融機関を「整理」しておいて、官出身の民営化銀行には心地のよい居場所を与えるというのでは、何のための「改革」であったかが問われよう。

存続する政策金融機関には十分な組織スリム化と補完原則の徹底を、民営化銀行には競争条件の同一化を徹底してもらいたい。防衛施設庁の官製談合に見られるように、官僚たちは個々人の善悪を超えて、自らの組織維持のためには平気で悪事を働く。国民の税金を自由に使い回せる体制を見直し、肥大化した官僚の仕事を徹底的に減らしていくことが何よりも重要だ。この国をいつまでも「官僚天国」と言わせないよう、苦しいときの「官頼み」をやめて、国民一人ひとりが納税者としての監視を続けていくことが求められている。



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