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| 核疑惑のイランと対話の用意
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世界最大の軍事力と経済力を持つ米国がイランの核開発をめぐって、揺らいでいる。核開発停止に向けて欧州連合(EU)が中心にまとめた包括案の一環として米国はイランと交渉のテーブルに着く用意があると表明したのだ。米国は四半世紀に渡ってイラクと断交しており、犬猿の仲。外交政策を大転換する意向を示したのだが、その背景に米国内でのガソリン小売価格の暴騰があるのは明らかだ。 支持率が30%前後に落ち込んでいるブッシュ大統領は十一月の中間選挙を控えて、さらなる原油高には耐えられないとされる。イランをめぐって難しい選択を迫られる場面が待ち受けている。 ◆疑惑の眼 昨年八月就任したイランの保守強硬派、マフムード・アハマディネジャド大統領は、核兵器の製造につながるウラン濃縮を推進している。ウラン濃縮は原子力発電にも必要な技術で平和利用を強調するが、イランはロシアの協力で原発を建設している段階。この原発に必要な濃縮ウランはロシアが製造する契約になっている。「イランが自前のウラン濃縮に固執するのは核兵器の製造を狙っていると思われても仕方がない」(外交筋)。国際原子力機関(IAEA)など国際社会が懸念を強めるのも無理からぬところだ。 こうした疑惑や懸念を背景にEUの中核である、英仏独三カ国(EU3)が中心になってロシアと協議。国連安保理常任理事国である米国と中国、ロシアと意見交換した上で、EUのソラナ共通外交・安全保障上級代表が今月六日にイランを訪問。「アメとムチ」「援助と制裁」を盛り込んだ包括案を核交渉責任者であるラリジャニ最高安全保障委員会事務局長に提示した。 ◆対話のシナリオ 包括案の一環として米国は、ウラン濃縮活動の停止を条件にイランとの協議に参加する意向を示した。 米国は一九七九年に起きたイラン革命や米国大使館占拠・人質事件を受けて翌八〇年、イランとの国交を断絶した。その後、四半世紀に渡って国交はなく、米国がイランと交渉を持つとなれば、外交政策を大転換することになる。 ライス国務長官が書いたと言われる、イランとの交渉に向けた提案の背景には、@混迷するイラク情勢を受けて30%程度まで低迷したブッシュ大統領の支持率Aイラン核疑惑が原因の一端となっている原油価格の高騰―が横たわっている。 中でも大きいのが、一バレル=七〇ドル前後で推移している原油価格の高騰だろう。米国のガソリン小売価格は一部で一ガロン(約三・八リットル)三ドルを超えており、今回の石油高騰が起きる前と比べると約三倍の水準。自家用車がなくては買い物にも事欠く層が多い中で、ガソリン価格の高騰は低所得者の生活を直撃している。「ブッシュ大統領のお膝元である南部で事態はより深刻」(外交筋)とされる。 ◆中間選挙 イラン情勢の推移のよっては、原油価格が一段と跳ね上がる可能性がある。ブッシュ大統領の支持率は史上希な30%しかないだけに、中間選挙での共和党大敗が現実味を帯びている。原油価格を念頭に置きながらイランと四半世紀ぶりに交渉を持つ必要が出るほどに、ブッシュ政権は追い込まれていると言える。 |
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