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| マレーシアとのFTA発効 |
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日本とマレーシアの自由貿易協定(FTA)が十三日発効した。東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心とした東アジア全体の経済統合を長期的な課題に据える日本にとって重要な一里塚と言える。マレーシアは十一番目の輸出市場で既にFTAが発効しているシンガポールやメキシコを上回る貿易相手国と位置付けられているためだ。 しかし、今回のFTAで最大の目玉とされるマレーシア自動車市場の開放は、大きな火種を抱えている。今後の推移によっては日本のFTA戦略に禍根を残す可能性も秘めている。 ◆苦渋の決断 マレーシアのマハティール前首相は一九八〇年代から国策自動車会社「プロトン」を育成。最大300%の輸入関税をかけて保護し、インドネシアやタイを上回る自動車生産・販売を長く維持していた。 しかし、プロトンはASEAN自由貿易地域(AFTA)の実施に伴う域内自動車関税の引き下げを受けて、日米欧の自動車メーカーが生産拠点を持つタイとの厳しい競争に晒されつつある。 「プロトンはほぼ全量が国内向けで輸出競争力はない」(専門家)のが実態。その将来への懸念が強まる中でマレーシアは日本とのFTAを通じて、@現地生産車向け部品の関税を即時撤廃A排気量二〇〇〇t以下の乗用車関税を一五年までに撤廃―など市場開放を決断。その見返りとして、競争力強化に向けて日本からの技術支援を受ける。 マレーシアで現地生産しているホンダは「今回のFTAは(部品関税の引き下げで)メリットが大きい」と分析。また、他の大手からは「日系メーカーが生産をマレーシアにシフトすることも予想される」との声も出ている。 ◆「誇り」が消滅? プロトンは〇二年に乗用車でシェア約60%を誇ったが、今年五月は31%。トップメーカーの座はダイハツが全面支援しているプロドゥアに譲っており、そのダイハツは「(輸出に向けて)品質やコスト削減などの課題を乗り越えなくてはいけない」と輸出も視野にてこ入れする考えだ。 アブドラ首相は「競争はプロトンが避けることができない挑戦だ。国内市場に頼っていては生き残れない」とハッパをかける。その一方で、@海外でも通用するモデルの開発能力A効率的な生産技術―などをマレーシアに移転するよう日本に求めている。しかし、技術力のアップは一朝一夕で進むべくもない。マハティール前首相が設立に尽力し、マレーシアの誇りとも言われたプロトンが消滅するような事態になれば、日本とのFTAそのものが批判に晒されないとも限らない。 |
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