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経済評論家 小倉 豊
エキゾチックな国への投資ブーム

先進七国の財務相・中央銀行総裁会議が、財政出動や金融政策によって世界経済をコントロールできた時代は、かなり以前に終わった。二一世紀に入って、世界の政策協調を本気で考えるなら「イタリヤやカナダより、中国との対話の方が重要になっているのは明白だ」と日銀幹部は語る。確かに中国は新たな経済パワーの象徴だが、続くインド、ブラジル、ロシアがBRICsとして既に、有望な投資先として台頭している。さらに、先を見越した個人投資家は、オーストラリアや南アフリカを物色し始めているのが実情。G7の時代は、投資先としても終わりを告げようとしている。

投資信託協会がまとめた六月末の株式投信残高は七十三・五兆円で、前年比一・四七倍に急増したが、そのけん引役はBRICs。四カ国への投資は五月末までの一年間累計で六千九百八十四億円と急成長し、欧州連合(EU)向けの五千七十六億円を抜いた。これは米国向けの一兆千二百二十四億円に次ぐ規模だ。

この一年間の買い越し額は、インド株が37%、ロシア株が25%、ブラジル株が22%、中国株が17%となり、もはや主役は中国からインドに移っている。と言っても、個人がインドやブラジルの経済情勢や企業の実態を勉強して投資しているわけでなく、証券会社が販売する投資信託の形で取得しているわけだ。詳細な情報を持たない国へ投資する動機は、「結局、その国の目覚しい成長力が株式の上昇に結びつくだろうという期待感」に尽きると言っていい。カントリー・リスク、為替リスク、まだ未熟なインデックスのリスク分散などに注意が及んでいない点には、まだ、素人の投資先としては問題を残している。

また、このブームの一つの側面は、BRICsの中でもブラジルとロシアが資源大国として注目されている点だろう。中国やインドが経済発展で、石油を筆頭に莫大な資源を飲み込んでいるのだが、ロシアやブラジルは、発展しながらその資源を豊富に内蔵し、供給してもいるのだ。この資源の逼迫という観点から、BRICs並みに、着実に日本からの株式投資を呼び込んでいるのがオーストラリア、南アフリカだ。

南アのような、普通の人からみてエキゾチックな国に、大切なトラの子の資金を投資してみたくなる状況は、やはり一種の金余り現象と言えるかも知れない。




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