|
|
| |
| 悲観論、楽観論が交錯
|
|
| 二〇〇〇年から翌年にかけての米国発のIT
(情報技術) バブルが弾けた時、 米連邦準備制度理事会
(FRB) のグリースパン議長 (当時) の対策は、
矢継ぎ早の金利引き下げによる超金融緩和で、
株価の下落をマイルドにするというものだった。
だが、 時間が経過してわかってきたのは、 株バブルを
「住宅バブル」 に乗り換えさせて、 バブル崩壊の調整を引き伸ばすという、
毒を含む政策だったということだ。 ここにきて、 米国の住宅ブームが急激にしぼんできたことが、 指標に表れてきた。 昨年は、 住宅価格が15%近く上昇したが、 今年七月の中古住宅の販売は前年同月比11%減、 新築住宅は同22%に落ち込んだ。 ここ数年はまさに新築ラッシュで、 しかも投機目的で建てられた住宅が値崩れを起こし、 それが買い控えにつながるという悪循環に陥っている。 また、 住宅市場の中心を占める中古住宅の在庫も、 七月末時点で約十三年ぶりの高水準となり、 新築住宅も約十一年ぶりとなる六・五カ月分の在庫がたまっている。 ニューヨークの不動産業者の間では 「在庫はあっても魅力的な物件が少ない」 と、 弱気が広がっているという。 住宅価格が収入を上回るペースで上昇を続け、 もはや人々の手に届かなくなったという、 バブル行き詰まりを指摘する経済専門家もいる。 好調な米経済を支えたのは個人消費だが、 それは住宅価格の値上がりによる含み益でローンを組んで消費にいそしんだものだ。 だが、 値下がりが鮮明になれば 「逆資産効果」 が効いて、 一転して消費者の財布のひもは固くなろう。 さらに、 値下がりによって、 含み益で借り入れを増やすどころか、 住宅ローン返済に行き詰まり、 自己破産に陥るケースが増える可能性も指摘されている。 極端な例を挙げると、 低所得者向けに、 日本の 「ゆとりローン」 に似たステップ返済のローン商品が広がった。 当初の返済が金利のみというローンもある。 住宅バブルの下では、 所有する物件の価格が上昇し、 転売できれば、 元本返済なしに値上がり益を手にすることができた。 だが、 値下がりが始まれば、 将来、 時間がたつほどに重い返済を強いられる格好だ。 ただし、 楽観論者がいないわけではない。 住宅ブームが過熱したのはカリフォルニア、 ニューヨーク、 ボストンという裕福な地域だったため、 住宅が値下がりで消費を萎縮させるわけではない、 という見方だ。 これに対し、 住宅バブルがIT株バブルと違うのは、 資産層だけでなく、 低所得層も超低金利の下で値上がり前提に住宅を取得してきた点であり、 株バブルより影響が出る範囲は広い、 というまったく反対の見解もあるのだ。 いずれにせよ、 「マエストロ」 グリーンスパンの置き土産である住宅バブルは弾けた。 バーナンキFRB議長が、 「ソフトランディング」 させられるかが、 米経済の当面の最大の焦点だ。 |
|