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経済評論家 原田淳也
道路財源問題、いつまで続く曖昧路線

経政府は、二〇〇七年度予算で国の道路特定財源収入のうち、二千五百億円程度を一般財源に充てる方針だという。〇六年度の一般財源化分(約四百七十億円)に比べ大幅に増える格好だが、道路予算を上回る余剰収入は〇七年度に五千億円程度見込まれるなかでの配分にすぎない。残る二千五百億円は道路予算に上乗せさせる公算が大きく、実質的に道路へのバラマキ予算が肥大化していくおそれが強い。

周知のように、道路特定財源の一般財源化の問題は、先週の政府・与党の合意で、特定財源の見直しは〇八年度に行うことで決着し、事実上先送りされた。ここでのポイントは、一般財源化には法律改正が必要なガソリン税の取り扱いが「不明確」一方で、一般財源化は毎年の道路歳出を上回る分に「限定」したそして、現行の暫定税率を「維持」したうえでの改革と明記した――ことである。

安倍首相は、例の郵政民営化「反対」議員の復党問題による支持率低下を挽回しようと、ガソリン税を含めた一般財源化を打ち出したが、結局ここでも「改革姿勢」は後退。持ち前の曖昧路線よろしく、来年の参院選挙後に問題を先送りする戦略を選択した。政府・与党合意にあるとは根本的に矛盾する内容だが、そのことを誰も厳しく指弾しない。一方で自民党側の要請を受けて、国交省を中心に中期道路整備計画を策定するというから、これはまさしく道路予算拡大路線を政府として肯定したとみられても仕方がない。

「真に必要な道路」は計画的に整備するというが、その必要度や緊急度は誰がどう具体的に判断するのか。これまでのように、国交省の役人たち任せの体制で決めていけば、必ず「無駄な道路」がつくられる。生活道路を含め地域の道路事情の分かる地方自治体が財源移譲とともに自らの判断と権限で行うことが望ましい。国が管轄する国道整備を中心とした道路予算の使い方は、やはりこの際、抜本的に改める必要がある。

そこで問題なのは、ガソリン税を含め高額の暫定税率をなぜ「維持」するのか。もともと使途限定の目的税であれば、予算額に比べ税収が過大になった今日、本則税率に戻すのが税としての基本である。「一般財源化するなら税率を下げよ」という経済界の主張は、その思惑は別にしてそれなりに正しい。現に、財務省は「一般財源化枠をあまり広げると、減税要求に火がつく」と警戒しているという。

小泉前首相は、一般財源化を掲げて党内守旧派の道路族議員を牽制した。しかし、「新たな改革」を目指すという安倍氏が同じ手法を踏襲する必要はない。この際、暫定税率の見直しを明確に打ち出せば、自動車利用者や広範な納税者の理解を得られるはずだ。それは、中間無党派層の支持を得たい安倍政権としても一つの有効な戦略ではないか。

そして、何よりも税収の大幅減少によって、膨れ上がった道路予算をめぐる政治家たちの分捕り合戦という構図は大方消滅するだろう。安倍政権が一般財源化という「小泉型政略」にこだわっている間は、袋小路のなかで曖昧路線をとり続けるほかない。




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