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| 総務省の家計調査で、二人以上の世帯の主役が、従来の民間ホワイトカラーから無職の年金生活者に取って代わりそうな社会情勢が浮き彫りになった。今年1月段階で、世帯主が無職と区分された割合は27・1%と、民間ホワイトカラーの27・3%とほぼ並んだ。このことが意味するのは、いま進行している労働需給の逼迫(ひっぱく)が、いよいよ所得の上昇に反映されてきたとしても、年金の需給水準は簡単には伸びないので、個人消費は相変わらず伸び悩む要因になると言う点だ。盛んに言われる「実感なき景気回復」という国民のつぶやきが止むのは期待薄になってくる。 世帯主が無職という世帯は、一九八八年に10・7%、九五年に14・8%、二〇〇〇年に19・5%と、急速に割合を増している。団塊世代の退職が〇七年から〇九年に集中する現状を考えると、30%に達するのは時間の問題といえる。 これが経済全体に与える影響は「所得が回復すれば消費も増える」という従来の常識が通用しなくなることだ。ただ、過去十年、企業のリストラで雇用者の賃金が切り下げられてた局面では、変動の少ない公的年給付が消費を支えていたのは事実だ。今後、経済が直面しなければならないのは、まさにその逆の、賃金上昇が内需拡大に与える影響の希薄化という現実だ。賃金が増えていったとしても、家計の約三割の景況感は持ち上がらない。あまり意識されないが、最近の消費動向が、大きく落ち込みもせず伸びもしないのは、既に無職世帯と民間ホワイトカラー世帯の占める割合が、ほぼ並んでしまったからだ。 無職世帯の増加は、先進国の中で際立って高かった貯蓄率にも影響を与える。団塊世代の退職期にあたる〇七年から〇九年は、退職金の受け取りなどで一時的に家計貯蓄率は上昇するだろう。しかし、それを過ぎるとかなり急な取り崩しが始まると予想される。というのも、貯蓄の取り崩しは、これまでのパターンでは六十歳以上で急上昇し、年齢が若いほど大きい。これは、勤労生活から年金生活に移行してしばらくは、それまでの消費スタイルをすぐに修正できないからだと思われる。 国・地方の長期債務は八百兆円を超える天文学的数字だが、この借金は回りまわって家計が貸し手となっている。日本政府が借金漬けでも泰然としていられたのは、海外の資金に頼らなくても、国内で資金を調達できたからだ。この構造が壊れて何が起きるか予想するのは簡単ではないが、構造の崩壊が始まるのが今年〇七年であることは確かだろう。 |
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