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| 世界同時利上げで四苦八苦の日銀
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| このところ米国の景気減速懸念がひとまず後退し、欧州連合(EU)や日本でも景気や物価面から利上げの方向に向かっている。だが、実は主要先進国以外でも、中国を筆頭に世界同時利上げに動いているのが国際金融の現状だ。 日銀は金利の正常化への環境づくりに躍起だが、日本の景気は「ややトーンダウンする」(御手洗冨士夫・日本経団連会長)との見通しが有力で、さらに、物価上昇率(生鮮食品を除く)は前年同月に比べマイナスの傾向にある。ただし、一方で超低金利を背景として円は弱含んでおり、貿易の競争力という点で有利な状況にEUなどから批判が強い。さて、参議院議員選挙と前後して日銀はどんなアクションを示すのだろうか。 今年4‐6月期に政策金利を上げた国(中央銀行)は13に上る。ちなみに日銀の無担保コール翌日物の誘導目標は0・5%である。少し読みづらいが、おもしろいので列挙してみると、ノルウェー(6月末水準4・5%)、台湾(3・125%)、スウェーデン(3・5%)、スイス(2・5%)、ニュージーランド(8%)、南アフリカ(9・5%)、デンマーク(4%)、ユーロ(4%)、チェコ(2・75%)、中国(6・57%)、英国(5・5%)、メキシコ(7・25%)、ポーランド(4・25%)、インド(7・75%)、アイスランド(14・25%)、オーストラリア(6・25%)、韓国(4・5%)、米国(5・25%)、カナダ(4・25%)、マレーシア(3・5%)。これらの国はいずれも緩やかな利上げ局面にある。円が売られるのは当然だ。 もちろん、利下げ局面にある国もありロシア(10%)、ブラジル(12%)、インドネシア(8・5%)など。 多くの中央銀行が緩やかな利上げを継続している要因として、世界の景気回復が長期に渡る中で、経済協力開発機構(OECD)が指摘するように、物価の加速感が危険水域ではないことが挙げられる。ただ、これだけの国が一斉に政策金利の引き上げに動いているのであれば、累積効果は無視できず、世界の物価や景気を冷やす効果は徐々に高まっていくだろう。 それにしても目を引くのは日本の金利の低さである。エコノミストの分析によると、日本の中立的な政策金利(緩和でも引き締めでもない)は1・5‐2・0%程度だ。たどりつく道のりははるか遠いように見える。 これに対して、国際決済銀行(BIS)は、要約すると「日本の超低金利政策が円安の背景になっており、それが過剰流動性(世界的な金余り)になって世界の資産価格(主に株式や不動産)の押し上げにつながっている。こうした行き過ぎを是正するためにも、日銀は利上げを続けるべきだ」と、クギをさされた。尾身幸次財務相も円安に警戒感を示すシグナルを送り始めた。 ただ、お隣の中国の安い製品が日本市場を直撃するせいか、物価上昇率は弱い。参院選の与党敗北も想定される中で、景気に厳しい利上げに対して政治のプレッシャーは秋以降も続く可能性がある。国内総生産(GDP)の5割を占める個人消費も、賃金の上げ渋りからみて、到底楽観はできない。米国、中国経済に変調があれば、日本の緩やかな成長基調は底抜けすることすら頭のすみに置いておく必要がある。金融政策の舵取りは困難を極めそうだ。 |
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