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経済評論家 小倉 豊
サブプライムは本当に危機の源か
ITバブルから今日まで
欧州中央銀行(ECB)は、22日になっても、米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付きによる信用不安の沈静化を理由に、期間3カ月に及ぶ短期資金6兆2000億円を市場に供給した。米連邦準備制度理事会(FRB)は、既に公定歩合の引き下げに踏み切っている。相当の危機感の表れである。日銀が政策金利の引き上げに動けるはずがない。

新聞紙面は、金融市場の混乱の原因として、サブプライムという専門用語を全面に展開している。だが、低所得者向けローンを主犯扱いするのが正確な分析なのか、大いに疑問である。

サブプライム問題への不安は昨年末から指摘されてきたものだ。それがなぜ、今になってクローズアップされているのか。納得できる情報はなかなか見当たらない。米証券会社のベア・スターンズ傘下のふたつのサブプライム子会社が、破たんに至ってどたばたを演じたのも数カ月前だ。

8月に入って表面化し、今も不安視されているのは、米住宅ローンで最大手のカントリーワイドの資金逼迫だろう。こちらはサブプライムではなく、住宅ローン全体への信用不安ということになる。報道は慎重で、カントリーワイドは風評被害に見舞われていることになっている。

だが、少し物覚えのいい人なら、そもそも米国の個人消費の持続力が、住宅市場の活況に支えらており、FRBがインフレ警戒の利上げに転じる中、住宅「バブル」が崩壊した後の、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の先行きが疑問視されていたことを想起するはずだ。例えば、中所得層が住宅を購入する。その住宅が極端に値上がりすることによって、米国では、高額の資産を持つ「資産家」の仲間入りと見なされ、低金利の下で借り入れが容易になる。

さらなる住宅価格の上昇をあてにすれば、住宅を担保にカネを借りて消費しても、家を売ればすべてのローンを返済して、まだ手元にカネが残る。低所得者から富裕層の投資家まで、こうした「バブル」に踊っていたのだ。

2000年ごろまでは、米国の株式市場ではナスダック市場を中心に、新興IT(情報技術)企業の株価上昇でバブル状態だった。それが崩壊の危機に直面した時、「マエストロ」グリーンスパン前FRB議長は、圧倒的に果敢な利下げを、持続的に断行した。日本のバブル崩壊後の無策と長期デフレを反面教師にした、絶妙の手腕と評価された。前議長は、1987年のブラックマンデーの株価暴落、アジア通貨危機、ロシア危機、米同時多発テロの実体経済への影響波及も食い止めた名手としての評価を得て、惜しまれながら職を去った。

だが、結局、ウオール街で毎日、証券マンが数十万、数百万のワインを浴びるように飲んでいたITバブルは、住宅ローンバブルに付け替えられたのではなかったか。そして、バーナンキ現FRB議長が住宅バブル崩壊のツケを払わされている。住宅のさらに先の「バブル付け替え」資産は、まだ見出されていない。

酷暑の毎日である。頭もぼける。一部の市場関係者で「信用リスク」の発生源として「意識されていた」というネタを一つ。

「『エリー・ロートシルト男爵死去』 エリー・ロートシルト男爵(銀行家、高級赤ワイン「シャトー・ラフィット」の再興者)オーストリア警察によると、6日、同国西部チロル地方インスブルックにある狩猟用山小屋で、心臓発作のため死去、90歳。世界的な大富豪ロートシルト(仏語でロッチルド、英語でロスチャイルド)家に生まれ、フランス国籍。第2次大戦後、ナチス・ドイツの侵攻で荒廃したフランスのシャトー・ラフィット・ロートシルトのブドウ園を再興したことで知られる(8月7日ウィーン発AFP)」。

相続税は高いだろうから、相続時点の資産評価額は低いほうがいい。納税ではある程度の資産を売ってを現金化する必要があるのだろうか。どの資産をどのくらい売るものなのか。相続が完了すれば、資産は上がったほうがいいのだろう。いつ終わるのか。8月に入ってから生じた「疑問」である。ちなみに、今年のワイン市場は波乱含みが予想されるという。




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