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経済評論家 小倉 豊
当面の焦点は証券税制
福田政権は財政再建・改革政権?
福田内閣は、安倍改造内閣をそっくりコピーした形になっているが、果たして、小泉政権を引き継ぐ改革政権なのだろうか。単純にみれば、参院選の自民党大敗を受けて、党の内外から歳出拡大の容認論が吹き出している。必然的に、財政再建計画の大幅な後退を容認できない内閣や党執行部は、これをなだめ、抑え付ける役回りになっている。この点、福田康夫首相には抵抗勢力が存在しており、小泉政権当時の「改革」の推進者という構図は変わりはないことになる。

また、永田町ウォッチャーによると、福田政権の党政調会長が谷垣禎一氏になったことをことさら重視する向きもある。谷垣氏は小泉政権下で財務相を務めて以来、手堅い財政再建論者になっている。財政再建のために、消費税率の引き上げを前提に動くのは確実だ。そこで、福田政権として、有権者にアレルギー的反応が残る消費税上げを、どう政治プロセスに乗せるか。予想できるのは、一方で強い歳出拡大圧力に政治的に対処しつつ、局所的な歳出拡大も認めながら、代償としての消費税を俎上に乗せていくという戦略で、筋道をつけるのかもしれない。

当面のリトマス試験紙は「高齢者医療費の自己負担の凍結」「障害者自立支援法の見直し」。これらは与党合意がなされているが、約1000億円の財源手当てがなされていない。概算要求基準(シーリング)では、社会保障費は2200億円の圧縮が決まっている。都合、3200億円程度の財源を必要とするのだ。

他の歳出抑制にも限界があるとすれば、問題は財源探しだ。一番、目を付けられそうなのが、証券税制。「格差社会」で負けた自民にしてみれば、「金持ち優遇」の是正をアピールする切り札の一つになる可能性もあろう。

証券税制は昨年秋の税制改革論議で、配当課税・株式譲渡益課税の適用税率を20%から10%に軽減しているのを、もともとの期限を1年延長して、今年の秋の論議に委ねた形になっている。配当所得と譲渡益所得は2005年には2兆5000億円を超えている。これが倍になるとすれば財務省としては垂涎の的だろう。こうして、赤字国債の発行増加なく、着実に予算案を組み上げられるかどうか、「改革政権」が本物かどうかの試金石になる。




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