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| 繰り返すバブル、米国の赤字は今も
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| 米国で起きた低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き急増に伴う信用不安が世界経済を大きく揺るがしている事態は、いわゆるバブル経済の発生を防ぐ難しさを改めて示した。また、大規模な経常収支の赤字を垂れ流している米国経済の実情を浮き彫りにし、警鐘を鳴らしたといえる。 ◆リスクの国際化 サブプライム問題は、返済能力が高くない層への住宅ローンの貸し付けが原因だ。いわゆる低所得者が対象で焦げ付きリスクが高い分、金利も高く設定されている。それでも融資を拡大させたのは、担保となる住宅の価格が値上がりするとの見通しが前提になっている。返済が滞っても住宅を購入時より高く売却できれば、借り手は借金を返した上で一定の利益が残る計算だった。 しかし、住宅の値上がりが永久に続くわけはなく、住宅価格の値下がりと連動して不良債権が大量に発生。欧州の大手金融機関や野村証券も大規模な損失を被る事態となった。損失が世界各国に拡大したのは、ローン債権が証券化され、国境をまたいで販売されたためだ。リスク分散を目的とした新たな金融手法がリスクの国際化を引き起こした。シティバンクなど大手金融機関が住宅価格の上昇をバブルと認識できなかったのは情けない事態といえるが、市場経済の下でバブル発生を防ぐ難しさは歴史が物語っている。 ◆繰り返すバブル 歴史上、最初にバブル経済が発生したのは1637年だったとされる。オランダでチューリップの球根が投機の対象となり高騰。その後、価格が10分の1まで暴落した事態は「チューリップ・バブル」として記録されている。1720年にはイギリスでバブルの語源となる「南海泡沫(バブル)事件」が起き、米国では第1次大戦後に「暗黒の木曜日」として知られる株価バブルの崩壊が世界恐慌を招いている。日本も1980年代に株と土地の異常な値上がりを経験。バブル景気は崩壊して不良債権の山を残した。不況が深刻化し、いわゆる「失われた10年」を経て今に至っている。 サブプライム問題は、こうした歴史に連なる新たな事例として書き加えられたに過ぎず、バブル経済はこれからも繰り返されるだろう。そうした認識を忘れず、肝に銘じておきたい。 また、今回のサブプライム問題は、80年代から続く米国経済の構造的問題を改めて世に示した。それは、経常収支の赤字体質だ。 ◆2度目の警鐘 1971年のいわゆるニクソン・ショックでドルと金の兌換が停止され、73年までに主要国が変動相場制を採用すると金本位制が終焉を迎え、「ドル本位制」ともいえる通貨体制が構築された。 発行制限のない基軸通貨ドルを持った米国は財政規律に緩みが生じ、政府の財政赤字と国の経常収支の赤字が拡大。そして恒常化した。その赤字は、日本やドイツが埋め合わせていたのだが、節度を欠く米国経済や構造的な経済不均衡に警鐘を鳴らす形で、87年10月に米国株式が暴落。いわゆるブラックマンデーが起きた。 しかし、ブラックマンデー後も米国の経済体質は改善せず、経常赤字は当時の数倍の規模にまで膨らんでいる。日独に加え、経済発展した中国やロシア、オイルマネーで潤う中東諸国がファイナンスしているが、米国が垂れ流す赤字は世界経済の波乱要因として拡大再生産されたのが実状だ。それだけに、いつまでも放置し続けることはできない。 今回のサブプライム問題は、米国が世界の資金を吸収している事態の危うさを示しただけでなく、輸出促進や消費抑制といった抜本的な経常収支対策の推進に向けた、ブラックマンデーに続く市場からの勧告と受け止めるべきだろう。 |
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