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| 住宅・食品偽装で性善説が終焉?
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| 昨年の世相を表す言葉は「偽」だった。2006年に起きた一級建築士によるマンションの耐震偽装に続き、加工食品の材料・消費期限の偽装などが次々に明るみに出たのだから当然の結果だろうが、偽装行為がはびこる社会は効率が悪く、高コストになるのを肝に銘じておく必要がある。そして日本は、「性善説」を前提とした社会の仕組みが崩壊すると入り口にさしかかっているのかもしれない。 昨年の8月、住宅着工戸数が前年比で43%減の6万3076戸と約40年年ぶりの低水準となり、翌9月も44%減の6万3018戸に落ち込んだ。その原因ははっきりしている。 審査人員を大幅に増やすなどしないまま、改正建築基準法が6月に施行された結果、認可が滞ってしまったのだ。法改正は、06年に社会問題化したマンション耐震偽装をきっかけに実施。安全性を高めるのが狙いだったが、住宅は裾野が広い産業なだけに、着工数の落ち込みが長引けば景気の足を引っ張る可能性が高い。国土交通省の「人災」とさえいえるが、この法改正はもっと大きな社会の転機になる可能性もありそうだ。 元々、建築確認は「性善説」に立脚して運営されていたのではなかったか。国家資格を持つ建築士が不正を承知で申請書類を作成することが想定されていなかったからこそ、耐震偽装は長年に渡って誰も見抜けなかった。 偽装発覚を受けて建築確認が厳格化されたのだが、住宅の安全に万全を期すなら手抜き工事の有無まで当局が全面的に検査するべきだ。私が暮らしたことがある東南アジアでは、新築の住宅になかなか住めない国がある。水道や電気、ガスなどの設備がきちんと施工されているか当局の検査が不可欠なためだが、これには行政コストがかさむ上、効率も落ちるのが明らかだ。 食品業界をめぐっても、不二家、ミートホープ、赤福、船場吉兆など老舗を含めて偽装事件が相次いでいる。「食の安全は当たり前」と思っていた消費者に不信が広がり、政府は「食品表示特別Gメン」を創設するという。 農水省の農政局・事務所にいる約2000人の食品表示Gメンから、経験と訓練を受けた20人を選抜。特別調査官として東京、大阪、福岡に配置する。また、食品表示の取り締まりを行う同省の食品表示・規格監視室の職員も17人から23人に増員する計画だ。 今回の監視強化・拡充は、それほど大きな変化と言えないが、「不信」を前提にした規制や取り締りの強化は、安全や安心のコストを際限なく膨張させる恐れを秘めている。 衣食住のうち、住と食に不安が広がっている事態は深刻だが、「不信」や「性悪説」を前提として社会制度を構築し直す必要があるほどに日本は病んでいるのかどうか。「信頼」や「性善説」が既に終焉を迎えたしたとは思いたくはない。 |
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