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経済評論家 舟泊良章
税への関心を高める契機に
ガソリン税めぐる政争へ期待
税は政治の本質だと言われる。国民・市民のために国防や治安、その他の様々な公的サービスを行うのが古今東西を問わず国の基本的な役割で、これを実現するには資金を集める必要がある。これが税なのは言うまでもないが、誰にとっても税は少ないほうが良い。民主党はガソリン税引き下げを政治的な目標に掲げ、税率維持を主張する連立与党と対立。決着は今後の与野党の論戦に委ねられたが、この論議を「政争の具」とするのではなく、税の役割に対する国民的関心を高める契機にしたいものだ。

個人が納める直接税の中核は所得税だが、日本のサラリーマンには世界的にも珍しい源泉徴収が適用されている。もし、所得税に申告納税が義務付けられれば、おのずと納税意識や税の使い道に関心が高まるはずだが、そうはなっていないのが実情だ。

こうした源泉徴収の仕組みが背景にあってか、間接税の代表である消費税の導入や税率引き上げに対する関心は極めて高く、総選挙の争点ともなれば与党が大きく議席を減らしてきた。間接税は日々の消費生活の中で支払いを実感させられるためで、ガソリン税もその一つだ。

原油・ガソリン価格の高騰を受けて民主党は、30年以上にわたって維持されているガソリン税の暫定税率(1gにつき約25円)廃止を提案。これに対して与党は、暫定税率の2カ月維持する「つなぎ法案」を国会に提出した。この法案は、ガソリン税で与党を窮地に追い込んで衆院解散に持ち込む腹積もりだった民主党線楽の無力化を狙っていた。

与野党が全面対決する構図となり、国会空転は必至だったが、衆参両院議長のあっせんを受けて自民党が土壇場でつなぎ法案を取り下げ、与野党が国会論議などを通じてガソリン税をめぐる接点を見出していくことになった。

議論の行方は不透明なままだが、ガソリン税やその使途である道路特定財源のあり方に限定せず、税制や国家予算全体の仕組みにまで議論を広げてもらいたい。

今、ガソリン税はそのほとんどが道路建設だけに使われており、無駄な支出も多いのが実態だろう。

長崎県佐世保市で国が建設している西九州自動車道・佐世保道路(8・3`)は事業費が1629億円で1`当たりの建設費が196億円に上る。全線開通は2010年3月の予定だが、ルートにかかった米軍住宅の移転・建設費28億円も道路特定財源から出ている。

この道路が必要がどうかの議論は別にしても、8`強の道路建設に1600億円もの税金を使うことを地域住民が支持するかどうか。「政治家の先生のおかげで道路ができる」と感謝する有権者がいるのも確かだろうが、「建設費は国に取られた自分の金だ」と住民がきちんと意識しているだろうか。

ガソリン税と道路特定財源の議論をきっかけにして、税と税の使い方に厳しい目を向ける有権者が増えるような国会議論を期待したい。



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