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| 少子高齢化による国内市場縮小の逆風にさらされている生命保険業界に今、新興勢力が生まれようとしている。インターネットを活用して保険を販売する「ネット生保会社」だ。金融分野のネットビジネスは、すでに証券、銀行業務でかなり定着してきたが、生保のネット販売は初の試み。「不払い問題」などで消費者の信頼を裏切った大手生保に代わって、ネット生保会社が業界革新の芽となる可能性もある。 「ネット生保」会社を立ち上げたのは、マネックス系の「ネットライフ企画」(出口治明社長)と、SBIホールディングス系の「SBI生保」(木村真輔社長)。ともにネット証券業界で成功を収めた「勝ち組」が株主となり、業態の壁を乗り越えて進出。今年内には金融庁から保険業免許を取得し、1〜2年以内に船出する予定だ。 両社に共通する新しいビジネスモデルは、「シンプルで分かりやすい生命保険」「ネットを活用したローコスト経営」「保険料の低額化」。ネットライフの出口社長は「生命保険は難しい」という時代を終わらせ、保険の原点に戻ると言う。 生保業界では、大手生保による「不払い事件」が大問題になった。その際、「特約」付き保険商品の分かりにくさや、会社優位の保険勧誘の実態などが明るみに出た。また長年、保険料算定の根拠になる「事業費」見積もりが過大では、という疑念もあった。こうした大手生保への不信や反発が、「ネット生保」誕生の下地になっていることは間違いない。その意味で、生保業界の「革新」を促す新勢力の台頭は歓迎すべきだろう。 ただ、それだけでネット生保のビジネスが成功するとは限らない。医療保険などと違って、生保商品は長期保険であり、株式のように何度も売買を繰り返す商品ではない。従って、「シンプルな商品」であればあるほど、価格競争力(保険料)がものをいう。販売員を使わないネット販売でどこまでコストを削減し価格に反映できるかが大きな決め手になる。 保険の「価格」と言えば、例えば、契約年齢時で決まる「定額保険料」方式でなくライフスタイルに合わせて年齢を経るに従い保険料が増減するような仕組みも考えられる。シンプルさの中に様々な工夫を凝らすことも必要だろう。 また、高額商品の買い方としてインターネットがどこまで定着するかは、まだ不透明な部分もある。新規顧客である若い世代や、高額保険料の見直しを考える中高年の買い替え層などが当面のターゲットになる。となれば、「ネット生保」は既存の大手生保と市場で真っ向からぶつかるに違いない。最終的には、正確なニーズ評価と市場分析、それに消費者にアピールする価格競争力が決め手になるだろう。 旧郵政の「かんぽ生命」の出現や、銀行による保険窓販の全面解禁など、生保業界は今、出口の見えない「大競争時代」を迎えている。ネット証券会社が業界地図を変えたように、「ネット生保」が保険市場の「革新児」となる日が来るかもしれない。 |
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