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| 日銀総裁、ガソリン税が代償に
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| 日銀総裁が戦後初めて一時空席となり、ガソリン税の暫定税率が4月1日に期限切れとなった。衆院で3分の2の勢力を持つ連立与党と、参院で過半数を握る野党各党が激突して合意点を見出せなかった結果で、いずれも異例の事態だ。特にガソリン税に関しては国や地方の行政に加えて給油所にも混乱をもたらし、政治が国民生活に多大な影響を与えることを改めて実感させた。 「衆参のねじれ」はいわは初めての経験。与野党とも政策をめぐる妥協や協議、決定に至る道筋をみつけられず、戸惑っているのが実態だろう。「民主主義のコスト」と受け止めるのも可能だが、その代償は許容される範囲かどうか。遅くとも来年秋に行われる総選挙は、与党に加えて野党への審判でもある。 年明けからの与野党攻防で焦点の一つとなった日銀総裁人事。福田康夫首相は元財務事務次官で日銀副総裁だった武藤敏郎氏の起用に固執し、日銀トップの不在を招いた。 低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題を発端とする国際的な金融市場の混乱、円高・株安という状況の中、緊急事態への対応を懸念する声が出たが、総裁不在が決定した直後から株価が上昇に転じるなど、心配された事態は生じていない。 日銀は強固な組織で運営されており、カリスマ的オーナー経営者が強いリーダーシップを発揮するような仕組みではない。金融政策はバブル経済の発生や崩壊など国家経済の方向を大きく左右するが、日常生活の中でその重要性が実感されることは少ない。総裁人事が生活実感に根ざした庶民の関心を呼んだわけではないのが実情だろう。 しかし、ガソリン税は別だ。 消費税の導入や税率引き上げといった状況ほどではないにしても、消費の現場に混乱をもたらした。ガソリン価格引き下げが確定的になると買い控えが起き、4月1日には給油スタンドで順番待ちの車が長蛇の列を作った。また、国・地方の税制の仕組みに光が当たり、ガソリン税の使途にも関心が高まった。 今回の暫定税率をめぐる攻防が起きるまで、ガソリン税が道路建設だけに使われていることをどれだけの有権者が認識していただろうか。また、暫定税率期限切れを受けて地方自治体の道路建設が凍結されるという事態が起きると予想していただろうか。 ガソリン税をめぐる与野党の激突は、日常生活の中で政治を実感させた。また、日銀総裁の不在は短期的な影響が見えにくく、重要性の実感が涌かないかも知れないが、経済政策・運営に対する政治の無関心・無策を象徴する事態と国内外で受け止められかねない。長期的な視野に立てば良い影響があろうはずがない。 与野党が次期総選挙まで対立を続けて政策不在が常態化するのか。それとも、政策の協議・決定に関する新たな仕組みを構築できるのか。経済政策を決定・実行する仕組みの不在は、あまりに無責任で政治に対する絶望を生みかねない。 |
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