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| 米国の対中赤字は減るか、日本は?
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| 中国の人民元が1j=6元台の高値に突入したことは、主要新聞では外報面で報じられた。管理変動相場制の人民元は実勢より安く維持されているのは明白で、中国の輸出競争力を不当に高めていると、米国や欧州連合(EU)諸国は批判している。翻って、日本は政府も産業界も人民元安に一切コメントしない。為替相場とはなかなか難しいものだ。 人民元は2005年7月まで1j=8・2765元に固定していたが、2%の切り上げに踏み切ると同時に、管理変動制に移行した。切り上げ前と比較すると、7元は約15%の上昇。 人民元のあり方については、4月のワシントンG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)の声明でも「中国の経常黒字が増加し、国内インフレ率が上昇していることに鑑み、人民元の実効レートより早いペースでの上昇を促す」と指摘した。どうも、この実効レートというところに、表面からは見えにくい問題が潜んでいるらしい。 対中赤字に最も敏感なのは米国だ。貿易赤字に占める寄与率は中国が37%に達している(07年)。ところで、米連邦準備制度理事会(FRB)が発表している名目実効ドル相場(ドルの他通貨に対する重み)は、人民元切り上げ以来の同期間に14%下落している。人民元の15%上昇とほぼ同じであり、最大の貿易赤字国である中国の人民元の対ドル上昇幅は、その他通貨並みにとどまっていることになる。これでは、貿易不均衡の是正に結びつくほどの調整は実現できていないことになる。 ただ、急激な人民元高が進めば、中国のインフレに鎮静効果がある一方、輸出がエンジンになっている経済成長に水を差す恐れがある。それが深刻化すれば、米国だけでなく、世界経済にとって望ましいことではないだろう。成長にブレーキをかけず、段階的に人民元を強くし、経済成長に見合った内需拡大を促すというのが妥当な処方箋であり、そうした政策協調が、主要先進国と中国の間で進められるのが望ましい。自国通貨が強くなれば内需拡大にプラスになるのは、プラザ合意(1985年)以後の日本が経験しており、おそらく中国にも有効と思われる。 さて、人民元相場についての日本が沈黙しているのはなぜか、かねて疑問だった。6元台突入を機に取材してみると、日中貿易はドルと円で決済されていて、直接の影響が薄いということだった。確かに、人民元高・ドル安は、日本企業の中国生産拠点からの対米輸出にはマイナスだ。ただ、経済産業省の調査(05年)では、日本現地法人の対米輸出額は6800億円だが、現地販売はそれとは比較にならない6兆1000億円。円相場もまだまだ安値感があり、人民元と円のレート問題は、企業業績に目立った影響を与えるほどではないらしい。 日本としてはせいぜい、一時期、人民元安に引きずられて欧米から苦情が強かった「アジア通貨安」問題が再燃しないよう、緩やかな円高なら容認できるような経済体質への鍛錬を怠らないことが肝要だ。 |
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