『新装版 霞ケ浦風土記』

 常陽新聞社はこのほど、佐賀純一著「新装版霞ケ浦風土記―風と波に生きた人々」を発売した。
 佐賀氏は土浦市内で開業医を務めるかたわら、「絵と伝聞 土浦の里」「氷雪のバイカル」「歓喜天の謎」などを著している。聞き書きの方法で普通の日本人像に迫る切り口は内外に高く評価され、15年前に著した「土浦の里」の英語版「MEMORIES OF SILK AND STRAW」は海外でロングセラーになっている。
 「霞ケ浦風土記」は土浦市、霞ケ浦町、美浦村など40数人のお年寄りから聞き書き、明治以降、霞ケ浦地方に生きた庶民の姿を浮き彫りにした作品。
 1995年「霞ケ浦風土記―風、波、男と女、湖の記憶」として刊行。その後進められていた英訳版もようやく完成、「MEMORIES OF WIND AND WAVES」(講談社インターナショナル)の書名で刊行。店頭に並ぶ前からインターネット書店上で国際的波紋を広げている。
 「新装版霞ケ浦風土記」は、英語版の完成記念出版。章立ては旧版と同じだが、2001年6月死去した父進氏の絵を新たに設けた口絵8ページ(カラー16点)に収め、さし絵62点を入れ換えた。本文中の振り仮名を大幅に増やし、巻末に生き物180項目、漁業、水産、水運など、346項目、地名、河川、道路など、359項目、人名、屋号、商号など、402項目、一般297項目の索引計1584項目、25ページを加えた。
 B6版・上製、約550ページ。定価2,940円(税込)。

中央が佐賀さん、左がカーペンターさん
 [さが・じゅんいち]
 1941年、茨城県土浦市生まれ。慶応大学医学部卒。国立栃木病院、ハワイ・クワキニ病院勤務を経て、現在、土浦市内で開業。
 著書の『絵と伝聞 土浦の里』は、第1回日本私家本図書館賞受賞(1989年)。その英訳版『MEMORIES OF SILK AND STRAW』はサントリー地域文化賞、国際出版文化賞、外国人記者クラブ最優秀図書。ほかに『浅草博徒一代』(英・仏・独・ポルトガル語訳)、『氷雪のバイカル』『戦火の記憶』(筑摩書房)、『ある田舎町の肖像』『歓喜天の謎』『失われた村の日々』(図書出版社)など。
 論文に「ディドロの世界」「ライプニッツの世界」「死と再生の神話(古事記を語る)」。

構成(もくじより)
索引 生き物漁業・水産・水運地名・河川・道路人名・屋号・商号その他
書評 何気ない日常のドラマの迫力 小田切マリ(つくば市)
   内面に向かうフロンティア精神 土井泰彦(日野市)
   生きる真剣さ、人としての気位 飯泉春長(真壁町)
   『老人と海』を想起させる漁師の鉄人 柘植俊一(つくば市)
   『霞ケ浦風土記を推す』 いいだもも(作家)
   『霞ケ浦風土記』『MEMORIES OF WIND AND WAVES』を読む 川村安宏

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